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動物病院の分院のホームページ|1つにまとめるか分けるか、3つの形で比較

(更新:)約14分で読めます

獣医師資格を持つデザイナーが書いています

「分院を出すことになったけれど、ホームページは分院の分だけ新しく作ればいいのだろうか」「分院というより、グループとして見せたい」「専門外来のサイトは別に作ってあるけれど、このままでいいのか」。分院の開業が決まった院長先生から、こうしたご相談をいただきます。

分院のホームページは、開業の準備に追われる中で「とりあえず分院のサイトを1つ」と決めてしまいがちです。けれども、サイトの形は検索での見つけてもらいやすさ、公開後の更新の手間、採用のしやすさまで、数年先に響きます。この記事では、分院を出すときのホームページと採用サイトの形を、院長先生が判断できるように整理します。

この記事で分かること

  • 分院のホームページを「まとめる」「分ける」「グループのトップ+各院」の3つの形で比べたときの違い
  • ドメイン(サイトのアドレス)と検索、Googleマップの登録で気をつけること
  • 採用ページを1つにまとめるとよい場面、専門外来の見せ方、ロゴや色の揃え方

分院のホームページは、1つにまとめる?分ける?

分院のホームページの形は、大きく3つです。本院のサイトに分院のページを足す「まとめる」、院ごとに別のサイトを作る「分ける」、グループのトップを入口にして各院のページを並べる「グループのトップ+各院」。グループとして見せたい病院や、スタッフが院をまたいで働く病院には、3つ目の形が合いやすいです。

分院のサイトの3つの形。A まとめる:本院のサイトに分院のページを足す(向く:早く始めたい・小さな分院/注意:分院が「おまけ」に見えやすい)。B 分ける:院ごとに別のサイト(向く:診療の中身や対象が別もの/注意:検索の評価も更新も2つに分かれる)。C グループのトップ+各院:グループの入口の下に本院・分院・採用(向く:グループとして見せたい/注意:最初の設計と本院の整理が要る)

A まとめる B 分ける C グループのトップ+各院
形 本院のサイトの中に分院のページを足す 分院用に別のドメインでサイトを作る 1つのドメインに、グループのトップと各院のページを並べる
検索 本院のサイトが積み上げた評価を使える 分院のサイトは評価がゼロから 本院のドメインを使えば、評価を使える
更新の手間 1か所で済む サイトの数だけ増える 1か所で済む。お知らせを院ごとに出し分けられる
採用 本院の採用ページに分院の募集を足す 院ごとに別々になりやすい グループで1つにまとめやすい
向く病院 分院が小さい、早く始めたい 診療の中身や対象の動物がまったく違う グループとして見せたい、スタッフの行き来がある

A まとめる:早く始められるが、分院が目立ちにくい

本院のサイトに「分院のご案内」のページを足す形は、3つの中では早く、手間も少なく始められます。一方で、トップページが本院の紹介のままだと、分院は「おまけ」のように見えてしまいます。分院を探している飼い主様が、トップから分院の情報にたどり着きにくいのも気をつけたいところです。

B 分ける:独自に打ち出せるが、すべてが2倍になる

院ごとに別のサイトを作ると、分院独自のコンセプトを打ち出しやすく、本院のサイトに手を入れずに済みます。ただし、新しいドメインは検索の評価がゼロからのスタートです。お知らせの更新、診療時間の変更、写真の差し替えも、サイトの数だけ手間が増えます。デザインや情報がそろわず、同じグループに見えなくなることもあります。

C グループのトップ+各院:グループとして見せやすい

グループのトップを入口にして、その下に本院・分院・採用のページを同じ並びで置く形です。「分院」ではなく「同じグループの病院」として見せられ、飼い主様も求職者も、病院どうしのつながりが分かります。お知らせは1か所にまとめて、院ごとに出し分けることもできます。最初にサイト全体の設計が要り、本院のページの整理も必要になるのが、この形の負担です。

これまでご相談を受けた中では、「グループとして見せたい」という言葉の背景に、スタッフが院をまたいで行き来する可能性があることや、院ごとに看板を分けて診療の役割を見せたい、という考えがありました。院が増えると、サイトの更新もアカウントの管理も2倍になるので、それを1つにまとめたいというお悩みもうかがいます。

ある病院には、1つのドメインの下に分院と採用のページを置く「グループのトップ+各院」の形をおすすめしました。お知らせは1か所にまとめて院ごとに出し分けられ、採用のページだけ別のサイトのようなデザインにもできるからです。別のドメインで作っていた専門のサイトも同じドメインにまとめ、検索での評価を1か所に集める形をご提案しました。

ドメインはどうする?検索への影響は?

検索の面では、本院が長く使ってきたドメインを使い続け、その中に分院のページを作るほうが、本院のサイトが積み上げてきた評価を分院にも生かしやすいと当社では考えています。新しいドメインで分院のサイトを作ると、検索での評価はゼロからのスタートになり、開院の直後は見つけてもらいにくくなります。

グループ名の新しいドメインに移すときは、転送の設定をする

グループの名前で新しいドメインを取り、本院のサイトもそちらに移す場合は、旧サイトのページから新しいページへの転送(リダイレクト)を設定します。Google の案内では、恒久的な転送(301など)を使い、古いページごとに移転先のページを1対1で決めることが勧められています。古いページをまとめてトップページに転送すると、ページが見つからない扱いになる場合がある、ともされています。転送は1年以上残しておくのが目安です。

転送を設定するには、ドメインとサーバーの管理画面に入れることが前提です。分院のサイトの話を進める前に、今のサイトの契約(年数の縛り・解約の条件)と、ドメイン・サーバー・アクセス解析の管理の権限が病院にあるかを確かめておきましょう。

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本院のリニューアルが開院に間に合わないときは、段階を分ける

開院まで時間がないときは、全部を一度に作り直さず、段階を分けて公開する方法があります。当社がご相談を受けた中でも、次のような順番を提案したことがあります。

  1. オープニングスタッフの募集ページを先に1ページだけ公開する
  2. グループのトップと分院のページを、開院までに公開する(本院は今のサイトへリンク)
  3. 開院後に本院のページを引っ越し、旧サイトから転送を設定する

この形なら、開院に間に合わせながら、最終的にはサイトを1つにまとめられます。二重に管理する期間も、引っ越しまでの数か月で済みます。

Googleマップは院ごとに登録する?

Googleマップ(Googleビジネスプロフィール:Googleマップや検索結果に病院の情報を出すための登録)は、院ごとに登録します。Google のガイドラインでは、1つの所在地につき1つのプロフィールとされ、登録する住所にはビジネス名の看板を常設していることが条件です。分院は所在地が違うので、本院とは別のプロフィールを作ります。

登録するときに気をつけたいことは次のとおりです。

  • 名前:ガイドラインでは、チェーンの店舗は同じ国内では同じ名称にするのが原則です(サブブランドなどの例外あり)。グループの名前と院名の付け方を、看板・ホームページ・Googleマップでそろえておくと迷いません
  • ホームページのリンク先:各院のプロフィールのリンク先は、グループのトップではなく、その院のページにします。飼い主様が診療時間や地図にすぐたどり着けます
  • 診療時間と電話番号:院ごとに正しく入れます。本院と分院で電話番号を分けるかは、受付の体制と合わせて決めます
  • 開院前の準備:開院日に地図で見つけてもらえるよう、登録とオーナー確認(そのビジネスの持ち主であることを Google に確かめてもらう手続き)は早めに進めます

同じ建物の中に専門外来の看板を別に掲げる場合、別のプロフィールにできるかは、その部門が独立して飼い主様に対応しているかどうかで変わります。ガイドラインでは、病院などの部門は、母体とは別に対外的に活動している場合に限り、別のプロフィールを作れるとされています。登録の前に、ガイドラインの原文で条件を確かめてください。

採用ページは1つにまとめたほうがいい?

スタッフが院をまたいで働く可能性があるなら、採用ページはグループで1つにまとめ、その中で院ごとの募集を分けて載せるのがおすすめです。教育の仕組みや評価の考え方がグループで共通なら、1つにまとめたほうが求職者に伝わりやすく、更新の手間も1か所で済みます。

1つにまとめるとよいのは、次のような場面です。

  • 兼務や異動など、院をまたいで働くことがある
  • 研修や教育の仕組み、評価の考え方がグループで共通
  • 分院のオープニングスタッフと、本院の募集を同時に出したい
  • 求職者に「グループで働く良さ」(症例の幅、相談できる獣医師の多さなど)を伝えたい

まとめるときは、募集要項を院ごとに分け、応募フォームで希望の院を選べるようにしておくと、受け取る側も整理しやすくなります。反対に、夜間救急だけの院のように、働き方がまったく違う院がある場合は、その院の募集だけページを分けたほうが伝わりやすいこともあります。

採用ページの役割は、求人サイトやSNSで病院を知った人を、応募につなげることです。採用ページを作るだけで人が来るわけではなく、見てもらう入口は求人媒体やSNSが担います。求人サイトと自院の採用サイトの使い分けは、求人サイトと自院の採用サイトの使い分けでくわしく解説しています。

同じドメインの中でも、採用のページだけ別のサイトのようなデザインにすることはできます。公式サイトは飼い主様向けの落ち着いたトーン、採用は求職者向けに写真を大きく使う、という分け方も可能です。

まだ院内の写真がないときは、「建物」ではなく「人」と「考え」で雰囲気を伝えます。載せたいのは、たとえば次のようなものです。

  • 院長先生の写真と、なぜこの場所に病院を開くのか、どんな病院にしたいのかという言葉
  • 本院やグループで今働いているスタッフの写真と言葉(顔を出したくない方は、イラストや匿名でも伝わります)
  • 開院までの流れと、入職してからの研修や教え方
  • 職種ごとの募集の内容と応募の方法(ページの上のほうにも入口を置く)

写真は、顔がはっきり写っていなくても、処置や話をしている様子のように、働く姿が分かるものが向いています。院内の写真は、開院が近づいてから足していけば大丈夫です。

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専門外来は別サイトのままでいい?

専門外来のサイトを別のドメインで作っている場合は、グループのサイトの中に移すことを検討する価値があります。サイトが分かれていると、検索の評価も更新の手間も分かれ、飼い主様からは「どの病院の、どの先生が診るのか」が見えにくくなるからです。

移すときは、専門外来のサイトの古いページごとに、グループのサイトの新しいページへの転送(リダイレクト)を設定します。専門外来のサイトがすでに検索で上位に出ている場合は、転送の設定を丁寧に行い、移したあとの順位を見守ります。

専門外来の見せ方

グループのサイトの中に専門外来のページを置くときは、入口を2つ作ると見つけてもらいやすくなります。グループのトップから直接入れる入口と、その専門外来がある院のページからの入口です。

専門外来のページに載せたいのは、たとえば次のような内容です。

  • どんな症状や病気のときに相談できるか
  • 担当する獣医師と、診察の日時・予約の方法
  • 初診から検査、治療までの流れ
  • ほかの病院からの紹介の受け方(紹介状の送り方など)

一般診療と専門外来の看板を両方掲げる院では、ページを分けて、それぞれの入口から迷わずたどり着けるようにします。

専門外来の名前や、診療の内容・実績の書き方は、獣医療広告のルールに触れないよう気をつけたいところです。くわしくは動物病院の広告規制とは?ホームページで使えない表現と言い換え例をご覧ください。

専門外来のページは、飼い主様と紹介元の先生とで、知りたいことが違います。

飼い主様が知りたいのは、「うちの子の症状で相談してよいのか」「かかりつけの病院の紹介が要るのか」「初めて行く日に何をするのか」です。受診のきっかけになる症状の例、予約の取り方、当日の流れと持ち物を、専門用語を減らして書きます。

紹介元の先生が知りたいのは、「どう紹介すればよいか」と「紹介したあとどうなるか」です。紹介の手順と連絡先、送ってほしい検査データ、診察後の報告の返し方、治療のあとかかりつけに戻る流れを載せておくと、紹介しやすくなります。

どちらのページでも、ほかの病院と比べたり、治療の効果を言い切ったりする書き方はしません。

ロゴや色はどう揃える?

グループとして見せたいなら、ロゴの形・書体・基本の色をグループで共通にし、院ごとに変えるのは院名と、必要ならアクセントの色1色までにとどめるのがおすすめです。共通の部分が多いほど、看板やホームページを見た人が「同じグループの病院だ」と気づきやすくなります。

そろえるもの 院ごとに変えてよいもの
ロゴの形(マーク)、書体 院名の表記
基本の色(2〜3色) アクセントの色1色
写真のトーン(明るさ・色味) 写真の中身(建物・スタッフ)
ボタンや見出しの形 院ごとの診療内容のページ

ホームページだけでなく、看板・診察券・名刺・ユニフォーム・SNSのアイコンも同じ決まりでそろえます。本院のロゴが古くなっていて、分院の開業を機に見直したい場合は、本院も含めたグループのロゴとして作り直すと、あとで全体をそろえやすくなります。ロゴを依頼するときの進め方は、動物病院のロゴの作り方で解説しています。

まとめ

  • 分院のホームページは「まとめる」「分ける」「グループのトップ+各院」の3つの形がある。グループとして見せたい病院には、グループのトップ+各院の形が合いやすい
  • 本院のドメインを使い続けると、本院が積み上げた検索の評価を分院にも生かしやすい。ドメインを移すときは、ページごとに転送を設定する
  • Googleマップは所在地ごとに1つ。各院のプロフィールのリンク先は、その院のページにする
  • スタッフが院をまたいで働くなら、採用ページはグループで1つにまとめ、院ごとに募集を分けて載せる
  • 専門外来のサイトは、グループのサイトの中に移すことを検討する。ロゴや色は、形・書体・基本の色をそろえ、院名とアクセントの色だけを変える

まずは今のサイトの契約と、ドメイン・サーバー・アクセス解析の権限がどこにあるかを確かめるところから始めてみてください。開業までの準備全体の順番は動物病院の開業準備|ホームページ・ロゴ・予約の準備スケジュール、ホームページづくりの全体の流れは動物病院のホームページ制作の進め方にまとめています。分院を含めたホームページの形を考えるときの進め方は、ホームページ制作のページでもご紹介しています。

動物病院のホームページ制作会社の選び方|依頼前のチェックリスト動物病院のホームページ制作会社を選ぶときに確かめたい8つを、チェックリストにまとめました。目的・デザイン・更新・管理の権限・契約の縛り、制作と運用のどちらにお金をかけるか、実際にあった失敗まで、獣医師資格を持つデザイナーが解説します。connectcreate.jp/vdesign/column/animal-hospital-web-agency-checklist

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