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動物病院の開業準備|ホームページ・ロゴ・予約の準備スケジュール

(更新:)約11分で読めます

獣医師資格を持つデザイナーが書いています

物件、内装の工事、医療機器、スタッフの採用。開業の準備はやることが多く、ホームページやロゴは「開業が近づいてから」と後回しになりがちです。

ところが、ロゴは看板や名刺の前提になり、ホームページは内覧会や求人の受け皿になります。決める順番を押さえておくと、開業直前に慌てずにすみます。この記事では、見た目と発信の準備に絞って、開業の何か月前に何を決めるかを整理します。

この記事で分かること

  • 病院名・ロゴ・ホームページ・Googleマップ・予約・内覧会を決める順番と時期の目安
  • ホームページを公開するタイミングと、開業前に載せること
  • 予約システム・電子カルテを選ぶときに確かめたい観点

※開業資金・融資・事業承継の手続きは、この記事では扱いません。

最初に決めるのは「病院名」と「どんな病院だと思われたいか」

見た目の準備は、病院名と、病院の考え方(誰に、どんな診療を届けたいか)を決めるところから始まります。ここが決まらないと、ロゴも、ホームページの文章も、看板も決められないためです。

決める順番は、おおむね次のようにつながっています。

  1. 病院の考え方(誰に・何を届けたいか)
  2. 病院名
  3. ロゴ・色・フォント
  4. 看板・名刺・診察券・ホームページ・チラシ

病院名を決めるときに、あわせて確かめておきたいことがあります。

  • ホームページのアドレス(ドメイン):病院名に近い「〇〇.com」などが取れるか
  • 近くの病院と似ていないか:飼い主様が検索やGoogleマップで迷わないか
  • 名前に入れる言葉:農林水産省の獣医療広告ガイドラインの Q&A では、「健康チェッククリニック」のように診療の技能・療法にあたる言葉を名前に入れて看板などで広告すると、広告の制限を受けるとされています。くわしくは「動物病院の広告規制とは?ホームページで使えない表現と言い換え例」で解説しています

開業までの準備スケジュール(目安)

ロゴとホームページは制作に時間がかかるため、開業の半年前ごろから動き始めておくと、余裕をもって進められます。

開業の6か月前から開業のあとまで、時期の目安ごとに決めること・やることを上から順に並べたスケジュールの図

下の表は、見た目と発信の準備に絞った目安です。物件や工事の進み方によって前後するので、ご自身の開業日から逆算して調整してください。

時期の目安 決めること・やること
開業の6か月前を目安に 病院の考え方を言葉にする、病院名を決める、ドメインの空きを確かめる
5か月前を目安に ロゴを依頼する(看板の発注に間に合わせる)、ホームページの制作会社を決める
4か月前を目安に ロゴを決める、看板・名刺・診察券のデザイン、ホームページの構成、予約システム・電子カルテを選ぶ
3か月前を目安に Googleビジネスプロフィールに開業日を設定する、内覧会の日程を決める、求人を始める
2か月前を目安に ホームページを「開業準備中」の内容で公開する、内覧会のチラシをつくる
1か月前を目安に 内覧会、予約の受付を始める、院内とスタッフの写真を撮る
開業のあと 写真や情報を開業後のものに更新する、口コミへの返信を始める

ホームページは、制作に数か月かかることがあります。当社の場合も、ご希望の構成でつくる制作プランで約3か月、戦略から一緒につくる戦略+制作プランで約4か月が目安です(ご利用の流れ)。開業の2か月前に公開したいなら、5〜6か月前には相談を始めておくと安心です。

なお、手続きの面では、診療施設を開設した人は、開設の日から10日以内に、所在地の都道府県知事に届け出ることが獣医療法第3条で定められています(開設届。開業したあとの手続きです)。

開業の準備でご相談を受けた中では、「公開したい日に対して、作るものが多すぎる」というケースがありました。

ある病院では、分院の開業まで数か月という時期に、分院の公式サイト・オープニングスタッフの採用ページ・本院のサイトの作り直しを、一度に考えていました。すべてを開業に間に合わせるのは難しいため、まず採用の募集ページを先に出し、次に採用サイトと分院のサイト、本院の引っ越しは開業のあと、と段階を分けて公開する形をご提案しました。今のサイトのドメインやアクセス解析の権限が誰にあるかを確かめるところから始める必要があり、こうした確認は時間がかかることもあるので、早めに手をつけておくと安心です。

また、開業のときは時間がなくテンプレートでサイトを作り、落ち着いてから作り直しを考える、というお話もうかがいます。開業の前に「誰に何を伝えるか」だけでも決めておくと、あとから作り直すときにも活かせます。

動物病院のホームページ制作の進め方|目的・ページ構成・公開後の運用動物病院のホームページ制作を、目的の決め方・必要なページ・制作の流れと期間・院長が用意するもの・公開後の更新まで、順を追って解説します。獣医師資格を持つデザイナーが、初めて作る病院にも作り直す病院にも役立つ全体像をまとめました。connectcreate.jp/vdesign/column/animal-hospital-website-guide

ホームページは開業前に公開する

ホームページは、開業日を待たずに、開業の1〜2か月前を目安に公開しておくのがおすすめです。開業前から、近くに住む飼い主様や求職者が、病院の名前で検索するからです。

最初からすべてのページがそろっていなくてもかまいません。開業前の段階では、次のような情報があれば受け皿になります。

  • 開業予定日(獣医療広告ガイドラインでも、広告できる事項として挙げられています)
  • 住所、地図、駐車場
  • 診療日・診療時間、予約の方法
  • 診療する動物、診療科名
  • 院長の略歴(卒業した大学、勤務した病院と期間など)
  • 内覧会の案内
  • スタッフの募集
  • 問い合わせ先

院内やスタッフの写真は、開業前は撮れないことも多いので、開業後に差し替える前提で進めます。

開業前に気をつけたい書き方

開業前のホームページで気をつけたいのは、獣医療広告のルールです。

獣医療広告ガイドラインでは、病院のホームページは原則として広告にあたらないとされています。一方で、チラシの二次元コード(QRコード)から開くページは、広告と一体のものとして広告にあたる、と Q&A に書かれています。内覧会のチラシから案内するページは、広告と同じ基準で整えておくと安心です。

設備の紹介では「CT」「超音波画像診断装置」など一般的な名前で書きます。診療の内容や費用を載せるときは、問合せ先・診療の内容・主なリスク・費用をそろえて書くことが、ホームページでも望ましいとされています(広告にあたるページでは必須です)。

Googleマップは、開業日を設定して早めに登録する

Googleマップに出る病院の情報(Googleビジネスプロフィール)は、開業前から登録できます。Google のヘルプによると、開業日は1年先の日付まで入力でき、開業日を設定してオーナー確認(病院の持ち主であることを Google に確かめてもらう手続き)を終えると、開業日の90日前からプロフィールが Google に表示されるようになります。

ただし、正式に開業するまでは、ユーザーが情報の修正を提案したり、口コミや写真を投稿したりすることはできない、とされています。開業前は病院からの投稿や写真で情報を出し、開業後に口コミへの返信を始める、という流れになります。

ホームページ・Googleマップ・チラシで、病院名の表記、住所、電話番号、診療時間がそろっているかも、公開前に確かめておきます。

動物病院の口コミを増やす方法と、悪い口コミへの返信の例文動物病院の口コミを増やすには、頼むタイミングと仕組みづくりが鍵です。獣医師資格を持つデザイナーが、Googleのルールに沿った頼み方、良い口コミ・悪い口コミへの返信の例、書いてはいけないことを解説します。connectcreate.jp/vdesign/column/animal-hospital-google-reviews

ロゴ・看板・名刺・チラシで見た目をそろえる理由

ロゴを決めたら、看板・名刺・診察券・チラシ・ホームページで、色やフォント、ロゴの置き方をそろえます。どこで見ても同じ病院だと分かることが、初めての飼い主様に覚えてもらう助けになるからです。

開業のときは、看板、名刺、診察券、チラシ、ホームページを、別々の会社に頼むことがよくあります。そのとき、それぞれが「それらしい色」で作ってしまうと、病院の印象がばらばらになります。

そろえるために、ロゴと一緒に次のものを用意して、各社に同じものを渡します。

  • ロゴのデータ一式(印刷用と画面用)
  • 色の指定(印刷用の色と、画面用の色)
  • 使うフォント
  • ロゴの使い方の決まり(周りの余白、小さくするときの限度など)

ロゴの依頼のしかたや、受け取るデータについては「動物病院のロゴの作り方」で解説しています。

見た目をそろえて良かったことの候補です。 ・内覧会で、チラシ・看板・ホームページが同じ色とロゴだったので、「チラシを見て来た」と気づいてもらいやすかった ・スタッフが院内の掲示やSNSの画像をつくるとき、迷わずに同じ色とフォントを使えた ・採用サイトを公式サイトと近い配色にしたことで、病院の温かい雰囲気が求職者にも伝わった ・看板屋さんや印刷会社に同じデータを渡すだけで済み、色を確かめるやりとりが減った

予約システム・電子カルテを選ぶときの観点

予約システムと電子カルテは、特定の製品の良し悪しより、「自分の病院の診療の流れに合うか」で選ぶのが基本です。開業後に入れ替えるのは手間がかかるため、開業前に、スタッフと一緒に実際の画面を触って確かめておきます。

予約システムで確かめたいこと

  • 予約の形:時間を指定する予約か、順番の受付か。診療・手術・健診・トリミングなどを分けて受けられるか
  • 飼い主様の使いやすさ:スマホで迷わず予約できるか。LINE から予約したい方、電話で予約したい方への対応はどうするか
  • 受付の負担:予約の変更・取り消しの連絡を、スタッフがどこまで手作業でするか
  • ホームページ・Googleマップとのつながり:予約のページへのリンクを、どこに置けるか
  • 電子カルテとの連携:予約の情報を、カルテや会計に二重に入力しなくてよいか
  • 費用:初期費用と月々の費用、予約の数で金額が変わるか

電子カルテで確かめたいこと

  • 院内の動き:診察室・処置室・受付で、だれがどの端末で入力するか
  • 検査機器・会計との連携:検査の結果や会計を、手で写さずに済むか
  • 飼い主様への説明:検査結果や説明の資料を、印刷やデータで渡せるか
  • データの扱い:バックアップの方法、将来ほかのシステムに移すときにデータを出せるか
  • サポート:診療時間中にトラブルがあったとき、どう連絡がつくか

内覧会は、ホームページ・チラシとセットで準備する

内覧会は、開業前に地域の飼い主様に病院を知ってもらう機会です。チラシ・ホームページ・Googleマップの3つで、同じ日時と同じ案内を出しておきます。

  • チラシ:獣医療広告ガイドラインでは、チラシは広告にあたりうる媒体とされています。病院名・住所・開業予定日・診療時間など、広告できる事項を中心に書きます
  • ホームページ:内覧会のお知らせのページをつくり、チラシの二次元コードの行き先にする
  • Googleマップ:開業前のプロフィールで、内覧会のお知らせを投稿する

内覧会で来てくださった方に、予約の方法や LINE の案内を渡しておくと、開業後の最初の受診につなげやすくなります。

まとめ

  • 見た目の準備は、病院の考え方と病院名から。ロゴ → 看板・名刺・ホームページの順につながる
  • ロゴとホームページは時間がかかるため、開業の半年前ごろから動き始めると余裕がある
  • ホームページは開業の1〜2か月前を目安に公開し、開業予定日・住所・診療時間・予約の方法・内覧会・求人を載せる
  • Googleビジネスプロフィールは、開業日を設定してオーナー確認を終えると、開業日の90日前から表示される。口コミは開業後から
  • ロゴのデータ・色・フォント・使い方の決まりを、看板・名刺・チラシの各社に同じものを渡す
  • 予約システム・電子カルテは、製品の比較より、自分の病院の診療の流れに合うかで選ぶ

まずは開業日から逆算して、表のスケジュールに日付を書き入れてみてください。

動物病院のロゴの作り方|依頼する前に決めることと伝えること動物病院のロゴを依頼する前に決めておくことと、依頼するときに伝えること・受け取るデータを、獣医師資格を持つデザイナーが解説します。よくあるロゴの形の良し悪しや、看板・名刺・ホームページで使い方をそろえる方法もまとめました。connectcreate.jp/vdesign/column/animal-hospital-logo

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