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動物病院の口コミを増やす方法と、悪い口コミへの返信の例文

(更新:)約14分で読めます

獣医師資格を持つデザイナーが書いています

「口コミが少ないうえに、たまに来るのは厳しい内容ばかり」「悪い口コミにどう返せばいいのか分からず、そのままにしている」。動物病院の口コミについて、院長先生からよく聞くお悩みです。

口コミは、運や病院の規模だけで決まるものではありません。頼み方と返し方を決めておくだけで、少しずつ変えていけます。

この記事で分かること

  • 口コミが、新しい飼い主様の病院選びに効く理由
  • Googleのルールに沿った、口コミを書いてもらいやすくする工夫
  • 良い口コミ・悪い口コミへの返信の例と、書いてはいけないこと

口コミは、初めての飼い主様が「行ってみよう」と決める材料になる

口コミが大切なのは、初めての飼い主様にとって、病院の中の様子を知る数少ない手がかりだからです。

引っ越してきたばかりの方や、初めて動物を迎えた方は、近くの動物病院をGoogleマップで探すことが多くあります。地図には複数の病院が並び、そこで見比べられるのは、距離・診療時間・写真、そして口コミです。

診療の内容は、受診する前には分かりません。だからこそ飼い主様は、「説明が丁寧だった」「待ち時間の案内があった」「受付の方が優しかった」といった、ほかの飼い主様の体験を手がかりにします。

Googleのヘルプでも、正直で客観的なクチコミは、これから利用する人にとって役立つ情報になると書かれています。良い口コミと悪い口コミの両方があると、かえって信頼されやすいともされています。悪い口コミにも誠実に返していれば、それも病院の姿勢として伝わります。

これまでご相談を受けた病院の口コミを読んでいると、飼い主様が書いているのは、治療の腕前そのものより「説明が分かりやすかったか」「納得して帰れたか」といった体験のことが中心です

たとえば「検査をしたのに何も分からなかった」という厳しい口コミがありました。獣医師の目で見れば、検査で異常が見つからなかったこと自体が大切な結果です。けれど、その意味が飼い主様に届いていなかったのだと思います。初めての飼い主様は、こうした口コミから「この病院は、きちんと説明してくれるか」を読み取っています。口コミは、診察室での説明を見直すきっかけにもなります。

口コミを増やすには、「頼む」ことを仕組みにする

口コミが少ないのは、病院の評判が悪いからではなく、書いてもらうきっかけがないだけ、ということがよくあります。満足した飼い主様でも、わざわざ書こうとまでは思わないことが多いものです。だから、病院から自然にお願いする流れを作ります。

口コミを書いてもらうまでの流れ:お願いする場面を決める、同じ言い方でお願いする、QRコードを渡す、読み取ると書く画面が開く。見返りを渡すこと・その場で書くことを求めることはGoogleのルールで禁止

お願いするタイミングを決める

お願いするのは、飼い主様が「来てよかった」と感じている場面です。

  • 治療が一区切りして、元気になった姿を見せに来てくださったとき
  • ワクチンや健診が無事に終わり、会計を待っているとき
  • 飼い主様から「ありがとうございました」と言葉をいただいたとき

逆に、つらい場面のあと(お見送りのあと、長い入院の途中など)にお願いするのは避けます。病院の都合が先に立つと、かえって信頼を損ねます。

ただし、「満足していそうな方だけ」に絞ってお願いするのは、Googleのルールで禁止されている「クチコミの選別」にあたるおそれがあります。場面を決めたら、その場面ではどの飼い主様にも同じようにお願いします。

書く場所まで、すぐ届くようにする

Googleでは、口コミを書いてもらうための専用のリンクやQRコード(スマホのカメラで読み取ると、書く画面が開く四角い印)を作って、飼い主様にお願いすることができます。Googleビジネスプロフィール(Googleマップに出る病院の情報)の管理画面から作れます。

  • 受付や会計のカウンターに、QRコードを載せた小さなカードを置く
  • 診察券や、お会計のときにお渡しする明細の袋にQRコードを印刷する
  • LINE公式アカウントで、受診後のメッセージにリンクを添える

「検索して、病院を探して、口コミのボタンを押して」という手順があるだけで、書くのをやめてしまう方がいます。読み取ってすぐ書ける状態にしておくことが、書くまでの手間を減らす基本です。

スタッフ全員で、同じ言い方をする

お願いの言葉をスタッフで決めておくと、だれが受付にいても同じようにお願いできます。

例:「もしよろしければ、今日のご感想をGoogleに書いていただけると、ほかの飼い主様の参考になります。こちらのQRコードから書けます」

ここで大切なのは、「良い口コミを書いてください」とは言わないことです。お願いするのは「感想」であって、評価の中身ではありません。また、「今ここで書いてください」とその場で書くことを求めるのも、Googleのルールで禁止されています。カードを渡して、あとで書けるようにしておけば十分です。

声かけは、診察のあとに看護師から一言

当社がご相談を受けた病院では、診察が終わったあとに看護師が一言お願いする形にしてから、口コミが少しずつ増えるようになりました。院長から直接頼まれるより、看護師からの方がやわらかく伝わり、飼い主様も気軽に受け取りやすいようです。

その病院では、次のような決めごとで運用しています。

  • 言うのは「よろしければ、ご感想を」だけ:「良いことを書いて」とは言わない
  • 声をかけるのは看護師、やめておく場面は院長が合図で伝える:診察室での様子を知っている院長が、「今日はやめておこう」というときだけ合図を出す
  • QRコードのカードを手渡しする:その場で書いてもらうのではなく、帰ってから書けるようにする

合図を使うときに気をつけたいのは、「良い評価をくれそうか」で人を選ばないことです。Googleのポリシーでは、肯定的な口コミを選んで増やそうとすることは禁止されています。合図は、つらい話をしたあと、急いでいる様子など、「お願いする場面としてふさわしくないとき」に限ります。

口コミには、実際には厳しい内容のものも入ります。それは避けられないものと考えて、ふだんの声かけを続け、来てよかったと感じた方の声が自然に増えていく状態をめざします。

トリミングは待ち時間がないので、頼む場面を別に作る

トリミングは、診察のように待合室で待つ時間がないため、口コミを頼みにくい場面です。別の病院では、お願いはしているのに書いてもらえないことが多い、一度お声がけした方にはもう一度頼みにくい、という声がありました。

トリミングでは、お迎えの短い時間でも渡せる形にしておきます。

  • お迎えのときに、仕上がりの説明と一緒にQRコードのカードを渡す
  • 仕上がりの写真をLINEで送っているなら、そのメッセージに口コミのリンクを添える
  • 読み取ってすぐ書く画面が開くようにして、「1分で書ける」手軽さにしておく

ここでも、「口コミを書いたら次回割引」のような特典はつけません。Googleのポリシーで、口コミと引き換えに割引やサービスなどを渡すことは禁止されています。

当社が支援している病院で効いたのは、言い方そのものより「声をかける人を決めたこと」でした。以前はお願いが続かずに止まっていましたが、看護師の方を声かけの担当に決め、院長先生が「今日はやめておこう」という場面だけ合図を出す形で再開すると、口コミが少しずつ入るようになりました。言葉は「よろしければ、ご感想を書いていただけると嬉しいです」程度の短いもので、良い内容をお願いすることはしません。それでも、写真つきで丁寧に書いてくださる方も出てきました。一方で、2週間ほど1件も増えない時期もあります。波があるものと考えて、担当の方が声かけをやめないことが、続けるコツです。

Googleのルールで、やってはいけないこと

口コミを集めるときに、まず押さえておきたいのは、見返りを渡して書いてもらうことは、Googleのルールで禁止されているという点です。

Googleマップのユーザー投稿コンテンツに関するポリシーでは、「虚偽のエンゲージメント」「評価の操作」「利益相反」などの項目で、次のようなことを禁じています。違反した口コミは削除の対象になり、違反の内容によってはアカウントが制限されることもあります。

  • 割引や品物などの見返りと引き換えに、口コミを書いてもらう(「口コミを書いたら次回のシャンプーを割引」など)
  • 見返りと引き換えに、悪い口コミを書き直してもらう・消してもらう
  • 実際に受診していない人に、口コミを書いてもらう
  • スタッフに「1人何件集める」と数を決めて、口コミを集めさせる
  • 満足していそうな方だけを選んでお願いする、悪い口コミを書かないよう頼む
  • その場で書くことを求める・強く迫る
  • スタッフ(元スタッフを含む)や家族、取引先など、病院と利害関係のある人が口コミを書く

Googleが認めているのは、見返りを出さず、評価の中身に影響を与えない形で、実際に受診した方にお願いすることです。前の章のお願いの仕方は、この範囲に収まるようにしています。

あわせて、病院のホームページやチラシに口コミを載せるときは、獣医療広告のルールに触れないかを確かめてからにします。口コミのまま書くと問題になりやすい表現(治療の効果をうたうものなど)もあるためです。

動物病院の広告規制とは?ホームページで使えない表現と言い換え例動物病院の広告規制(獣医療法第17条と獣医療広告ガイドライン)の要点を、獣医師資格を持つデザイナーが原文にそって解説します。ホームページやチラシで使えない表現、言い換えの例、迷ったときの確かめ方までまとめました。connectcreate.jp/vdesign/column/animal-hospital-advertising-rules

口コミへの返信は、「これから来る飼い主様」に向けて書く

返信は、口コミを書いた方だけでなく、これからその口コミを読むすべての飼い主様が読んでいます。返信を読めば、病院の人柄が伝わります。だから、短く、丁寧に、落ち着いた言葉で書きます。

Googleのヘルプでは、返信のコツとして、短く誠実にまとめる、宣伝はしない、相手の個人情報を出さず個人攻撃をしない、といった点を挙げています。

良い口コミへの返信の例

良い口コミには、お礼と、具体的に書いてくださったことへの一言を返します。

例:「温かいお言葉をありがとうございます。説明が分かりやすかったと言っていただけて、スタッフ一同とても励みになります。これからも、ご不安なことは何でもご相談ください。」

すべての口コミに長い返信をする必要はありません。Googleのヘルプでも、すべての口コミにお礼を書く必要はないとされています。返すときは、お礼の一言でも気持ちは伝わります。

悪い口コミへの返信の例

悪い口コミには、まずお詫びと受け止めを伝え、事実の言い合いはせず、続きは直接うかがう形にします。

例(待ち時間への不満):「このたびは長くお待たせしてしまい、申し訳ございませんでした。混み合う時間帯のご案内が足りていなかったと受け止めています。待ち時間の目安をお伝えする方法を、院内で見直してまいります。」

例(説明への不満):「ご不安な思いをさせてしまい、申し訳ございません。いただいたご意見は、スタッフ全員で共有いたしました。詳しくお話をうかがえればと思いますので、お手数ですが病院までお電話いただけますと幸いです。」

例(事実と違う内容が書かれている場合):「ご意見をいただきありがとうございます。いただいた内容について、院内で確認いたしました。行き違いがあったかもしれませんので、よろしければ直接お話をうかがえますでしょうか。」

事実と違う内容でも、返信の中で反論はしません。口コミが Googleのポリシーに反している(実際の受診に基づかない、嫌がらせなど)と考えられる場合は、返信で争うのではなく、Googleに報告する方法をとります。

返信に書いてはいけないこと

返信で書いてはいけないのは、飼い主様と動物が特定される情報と、感情的な言葉です。

  • 個人情報:飼い主様のお名前、動物の名前、来院した日時
  • 診療の中身:病名、検査の結果、治療や手術の内容。「〇月〇日の手術の件ですが」のように書くと、その方の受診の事実を公開することになります
  • 感情的な反論:「事実と異なります」「そのような対応はしていません」と言い切る書き方、口コミを書いた方を責める書き方
  • 宣伝:返信の中でキャンペーンや新しいサービスの案内をする

返信は、院長先生か、決めたスタッフが書きます。迷ったときは、書いてから一晩置き、翌日に読み直してから載せると、感情的な言葉を避けられます。

獣医師の立場から特に気をつけてほしいのは、返信の中で診療の説明をしないことです。「検査をしたのに何もなかった」のような口コミを読むと、検査が必要だった理由を返信で説明したくなります。けれど、それはその方が受診したことと、受けた検査の中身を、誰でも読める場所に書くことになります。しかも、どれだけ正しい説明でも、ほかの飼い主様には「言い訳」に見えやすいものです。診療の説明は、診察室や電話で、その飼い主様だけに向けてするもの。

返信では「ご不安な思いをさせてしまいました。詳しくお話をうかがえますか」と受け止めにとどめ、説明は直接お話しする場に回すことが、病院を守ることにもつながります。

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Googleマップの病院情報(Googleビジネスプロフィール)の整え方

口コミを読んでもらう前に、病院の基本の情報が正しく、新しい状態になっているかを確かめます。情報が古いと、口コミが良くても「本当に今やっているのかな」と不安にさせてしまいます。

Googleのビジネス情報のガイドラインに沿って、次の点を見直します。

  • 病院名:看板や診察券と同じ正式な名前にする。地域名や「夜間対応」などの言葉を足さない(ガイドラインで認められていません)
  • カテゴリ:「動物病院」など、病院が何であるかを表すカテゴリを、できるだけ具体的に少なく選ぶ
  • 診療時間:ふだんの時間に加えて、年末年始・お盆・臨時休診の日は「特別営業時間」で設定する
  • 電話番号・ホームページ:つながる番号と、ホームページのURLを入れる。予約の方法があれば、その入口も
  • 写真:外観・入口・待合室・診察室・スタッフの写真。初めての方が、迷わず来られて、中の雰囲気が分かるもの
  • 病院の説明:どんな診療をしているか、どんな方に来てほしいかを、飼い主様に分かる言葉で書く

あわせて、ホームページとGoogleマップの情報(診療時間・休診日・電話番号)が同じになっているかも見ます。食い違いがあると、飼い主様が迷う原因になります。

当社が集客の支援でかかわるときも、口コミの前に、この基本の情報と写真を整えるところから始めることが多くあります。地域で探している求職者もGoogleマップで病院を調べるため、採用にもつながります(動物病院の求人に応募が来ない5つの理由と改善策)。

まとめ

  • 口コミは、初めての飼い主様が病院の中の様子を知る、数少ない手がかり
  • 口コミを増やすには、頼むタイミングと言い方を決め、QRコードで書くまでの手間を減らす
  • 見返りを渡して書いてもらうこと、スタッフに数を決めて集めさせることは、Googleのルールで禁止されている
  • 返信は、これから来る飼い主様に向けて、短く丁寧に。個人情報・診療の中身・感情的な反論は書かない
  • 口コミの前に、Googleビジネスプロフィールの基本の情報と写真を整える

まずは、Googleビジネスプロフィールの管理画面から口コミ用のQRコードを作り、受付に置くところから始めてみてください。

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