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採用

動物病院の求人に応募が来ない5つの理由と改善策

約5分で読めます

獣医師資格を持つデザイナーが書いています

「求人サイトに掲載して3ヶ月、応募が1件も来ない」。動物病院の院長先生から、この相談を受けることが本当に増えました。

応募が来ないのは「人が減っているから仕方ない」だけでは説明できません。同じエリア・同じ給与水準でも、応募が集まる病院と集まらない病院ははっきり分かれます。

実際、私が支援している動物病院様でも、年に1人も応募がなかった動物病院が、年間20人ほど応募がある病院になりました。これは決して規模の大きい動物病院の話ではなく、獣医師が2-3人の普通の1次の動物病院の話です。

背景として、市場環境は確かに厳しくなっています。全国の動物病院の数はこの20年で約4割増えました。病院が増えた分、限られた人材の奪い合いになっているのが現実です。

だからこそ「選ばれる求人」と「素通りされる求人」の差が開いています。この記事では、応募が来ない病院に共通する5つの理由と、それぞれの改善策を解説します。

動物病院の求人に応募が来ない5つの理由と、それぞれの改善策の一覧

理由1:求人票が「病院の都合」しか書いていない

応募が来ない求人票には共通点があります。仕事内容・勤務時間・給与という「条件の羅列」だけで終わっていることです。

2025年に行われた動物看護師192名への就業実態調査では、就職先を選んだ決め手は次のとおりでした。

決め手 割合
通勤の利便性 45.8%
病院の雰囲気・人間関係 37.5%
給与・待遇 9.4%

応募する人が知りたいのは、条件よりも「どんな人たちと、どんな雰囲気で働くのか」です。ここが書かれていない求人票は、比べる土俵にすら乗りません。

改善策

求人票に「一緒に働く人」の情報を入れます。

  • スタッフの人数構成・年齢層
  • 院長の診療方針や人柄が伝わる一文
  • 1日のスケジュールの例

理由2:採用ページが受け皿になっていない

同じ調査では、就職活動で利用した媒体の1位は求人情報サイト(50.0%)、2位は「動物病院のウェブサイト」(29.2%)でした。約3人に1人は、病院のホームページを見て応募しています。

求人サイトで病院名を知った人は、ほぼ必ず病院のホームページを検索します。そこで採用ページがない、スタッフの顔が見えない、情報が数年前のまま、という状態だと、応募の一歩手前で離れてしまいます。

改善策

ホームページに採用専用のページを作り、スタッフの声・院内の写真・教育体制を載せます。お知らせやブログを動かして「いまの病院」を見せることも大切です。

そもそも、情報を更新していない病院は、求人ページを見たとしても、その病院がいまだに求人をしているのか、サイトが放置されているだけなのかがわからないので、古い情報が掲載されていても、応募しようと思わないケースがほとんどです。そういう病院はほとんどがメールやフォームなど置いておらず、電話連絡しかないため、そもそも連絡を取るハードルも非常に高い状態になっています。

一方で、最新の情報を掲載して、きちんと応募フォームや問い合わせ先を明示するだけで応募数が格段に増えた病院もあります。

理由3:「地元で探している人」に届いていない

調査では、出身地と就職先の都道府県が同じ人が72.4%、就職のときに検討した都道府県の数は平均1.6県でした。動物看護師の就職活動は、思っている以上に「地元で完結」しています。

全国向けの求人サイトに出すだけでは、地元で探している人に効率よく届きません。多くの人は「地域名+動物病院+求人」で検索し、Googleマップで病院を調べ、通勤経路を確かめてから応募します。

改善策

Googleビジネスプロフィール(Googleマップに出る病院の情報)を整え、地域名での検索に病院がきちんと出る状態を作ります。地元の専門学校との関係づくり(実習の受け入れ・学校訪問)も、費用をかけずにできる確かな方法です。

理由4:給与「以外」の不満を放置している

「給与を上げられないから採用できない」と考えている院長先生は多いのですが、調査の結果はもう少し複雑です。

  • 今の職場への不満の1位は「給与・待遇」(53.6%)
  • 一方で、転職理由の1位は「職場の人間関係」(49.1%)で、給与(36.8%)を上回る
  • 不満の2位は「業務量・負担」(31.8%)、3位は「勤務時間・休日」(28.1%)

人が辞める・来ない理由の中心は、給与だけではありません。「この業務量と人間関係で、この給与か」という総合的な評価です。

改善策

書類づくりなどの間接的な仕事を減らし、「診療に集中できる職場」を作ります。AIがいちばん役に立つのもこの部分です。休みの取りやすさや残業の実態は、求人票に具体的な数字で書きます。

理由5:応募のあとの対応が遅い

「応募が来ない」と思っている病院の中には、実は「来ているのに逃している」ケースがあります。返信が3日後、面接日の調整に1週間。その間に、応募した人は他の病院の面接を終えています。

改善策

応募への返信は24時間以内をルールにします。返信の文面をあらかじめ用意しておけば、診療の合間でも1分で返せます。

フォームの送信があってから3日以内に返信と書いているにもかかわらず、気づくのにそもそも1週間以上かかってしまうケースもありました。

その場合、「すでに他の病院の実習に伺って、そちらに就職することを決めた」というようなケースもよくあります。

返信を用意しておくことだったり、返信文面をAIに先に執筆させておくことで、その内容を確認して送信ボタンを押すだけで返信対応ができるような仕組みにすることで解決した病院もあります。

まとめ:問題は「病院の魅力」より「伝え方」

5つの理由を並べると、ほとんどが病院の中身ではなく「見せ方・届け方・受け止め方」の問題だと分かります。

  1. 求人票に「人と雰囲気」の情報を入れる
  2. ホームページに採用の受け皿を作る
  3. 地元の検索とGoogleビジネスプロフィールを整える
  4. 業務の負担を減らし、働き方を数字で語れるようにする
  5. 応募への対応を24時間以内に

まずはこの5つを、ご自身の病院の求人と照らし合わせてみてください。

出典

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