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採用

動物病院の採用ページに載せるべき項目|獣医師・看護師・受付別

(更新:)約13分で読めます

獣医師資格を持つデザイナーが書いています

「採用ページを作ったけれど、何を載せればいいのか分からない」「募集要項だけ載せて、そのままになっている」。動物病院の採用ページは、載せる項目を決めるところでつまずくことが多いページです。

求職者は、求人サイトで病院を知ったあと、病院のホームページで「ここで働く自分」を想像できるかを確かめています。この記事では、採用ページに載せる項目を、職種ごとのチェックリストとしてまとめます。

この記事で分かること

  • 求職者が採用ページで確かめている5つのこと
  • 獣医師・愛玩動物看護師・受付やトリマー、職種ごとに載せる項目
  • 応募フォームの置き方と、よくある抜け漏れ

求職者が採用ページで確かめているのは「働く自分が想像できるか」

採用ページで求職者が知りたいのは、条件の一覧よりも「どんな人と、どんな1日を過ごすのか」です。給与や休日は求人サイトでも分かりますが、職場の空気は病院のページを見ないと分かりません。

2025年5月に、人材紹介サービスに登録する動物看護師192名を対象に行われた就業実態調査では、今の職場を選んだ決め手は「通勤の利便性」(45.8%)に次いで「病院の雰囲気・人間関係」(37.5%)が多く、「給与・待遇」(9.4%)を大きく上回りました。

求職者が採用ページで確かめていることは、大きく次の5つにまとまります。

確かめていること 求職者の心の声 載せるもの
働く人 どんな人が働いている?自分は浮かない? スタッフの紹介・人数構成・院長のメッセージ
雰囲気 怒鳴られたりしない?相談しやすい? 院内の写真、スタッフの声
1日の流れ 朝から夜まで、何をしている? 職種ごとの1日のスケジュール
教育 未経験・経験の浅い自分でも育ててもらえる? 入職後の教育の流れ、だれが教えるか
休み 本当に休める?残業は? 休日の取り方、残業の実態、有給の取りやすさ

この5つに答えているページは、条件が同じくらいの病院と比べられたときに、選ばれる理由を持てます。応募が来ない原因の全体像は「動物病院の求人に応募が来ない5つの理由と改善策」でまとめています。

職種ごとに載せる項目のチェックリスト

採用ページは、職種ごとに知りたいことが違うので、職種別に項目を分けて載せます。同じページに全職種を並べる場合でも、職種ごとに見出しを分けると、読む人が自分に関係するところだけを読めます。

採用ページに載せる項目を、全職種に共通する6項目と、獣医師・愛玩動物看護師・受付やトリマーの職種ごとに足す項目に分けて示した図

まず、どの職種にも共通して載せる項目です。

  • 院長のメッセージ(どんな病院にしたいか、どんな人に来てほしいか)
  • 病院の診療方針・大切にしていること
  • スタッフの人数構成(獣医師◯名・愛玩動物看護師◯名など)と年齢層
  • 院内の写真(診察室・処置室・休憩室)
  • 募集要項(職種・雇用形態・給与の幅・勤務時間・休日・福利厚生)
  • 応募と見学の申し込み方法

獣医師:診療の中身と、育つ道すじ

獣医師の求職者は、「この病院でどんな症例を経験でき、どう成長できるか」を見ています。とくに新卒や経験の浅い獣医師は、教育の体制を重く見ます。

  • 診療の範囲:一次診療か、専門的な診療もあるか。主な診療科目
  • 設備:検査機器・手術設備など、どこまで院内で対応しているか
  • 教育:入職から独り立ちまでの流れ、だれが教えるか、症例検討会や勉強会の有無
  • 学会・セミナーへの参加の支援(費用・休みの扱い)
  • 勤務の形:夜間・休日の診療や当直の有無と回数、オンコールの扱い
  • キャリア:専門分野を深める道、将来の役割(副院長・分院の担当など)
  • 先輩獣医師の声:入職した理由、1年目にしていたこと

愛玩動物看護師:担当する仕事の範囲と働き方

愛玩動物看護師の求職者は、「自分の仕事の範囲」と「長く働けるか」を見ています。愛玩動物看護師は2022年5月に法律が施行された国家資格なので、資格の扱いもはっきり書きます。

  • 資格の扱い:資格をお持ちの方の待遇、まだお持ちでない方の受け入れ、受験の支援
  • 仕事の範囲:診療の補助、保定(診察中に動物を支えること)、入院管理、手術の補助、受付との兼務の有無
  • 1日の流れ:朝の準備から締めまで、入院がある日の動き
  • 教育:入職後に覚えることの順番、だれに相談できるか
  • シフトと休み:週の休みの数、希望休の取り方、残業の実態
  • 長く働く仕組み:産休・育休をとった人がいるか、時短・パートへの切り替え
  • 先輩看護師の声:仕事のやりがい、大変なことと、それをどう支えているか

看護師向けのページでとくに抜けやすいのが、休日と残業です。教育の手厚さを強みとして書いていても、看護師の求職者は「休みが取れるか」「毎日何時に帰れるか」を気にする方が多くいます。当社がかかわった採用サイトの見直しでも、看護師のページに休日と残業の記載を足すことが改善点として挙がりました。「週休2日・希望休は月◯日まで」「残業は月平均◯時間」のように、院内の実際の数字で書きます。

受付・トリマー:未経験で入れるかと、仕事の中身

受付やトリマーの求職者は、「新卒未経験でも大丈夫か」「どこまでが自分の仕事か」を気にしています。動物病院で働くのが初めての人も多いので、仕事の中身を具体的に書きます。

受付

  • 未経験からの受け入れと、最初に覚えること
  • 仕事の範囲:受付・会計・電話・予約の管理・カルテの入力など
  • 飼い主様と接するときに大切にしていること
  • シフト・休み・扶養内での勤務ができるか

トリマー

  • 1日に担当する頭数の目安、予約の入れ方
  • 使っている設備・道具、トリミング室の様子
  • 看護や受付との兼務の有無
  • 技術を伸ばす機会(練習の時間、講習への参加)

当社で採用サイトを作るときに、職種ごとに院長先生と相談して入れてきた項目があります。

獣医師のページでは、休みの多さが魅力の病院でも「休める」だけで終わらせず、研修や自分の勉強に時間を使えることとあわせて書きました。

愛玩動物看護師のページでは、資格をお持ちの方とまだお持ちでない方をひとつのページにまとめて仕事の中身を説明し、応募フォームで資格の有無を聞く形にした病院もあります。資格がなくても応募してよいのかは、求職者が迷いやすいところです。また、評価の仕組みを1ページにまとめ、「どう頑張ると認められるか」が分かるようにした病院もありました。

動物病院の評価制度、初めての運用でつまずく5つのところと対策動物病院の評価制度を初めて運用するときにつまずきやすいところを、評価項目の決め方、昇給・賞与とのつなぎ方、面談での伝え方、1年目の見直し、採用・定着との関係に分けて、獣医師資格を持つデザイナーが解説します。connectcreate.jp/vdesign/column/animal-hospital-evaluation-system

写真で見せるものと、文章で書くもの

採用ページでは、「雰囲気」は写真で、「中身と条件」は文章で伝えるのが基本です。写真だけでは仕事の中身が分からず、文章だけでは職場の空気が伝わりません。

写真で見せるもの 文章で書くもの
スタッフの表情・仲の良さ 院長の考え・病院が大切にしていること
診療中・処置中の様子 仕事の範囲・1日の流れ
院内の設備・休憩室 教育の流れ・だれが教えるか
朝礼や勉強会の様子 休日の取り方・残業の実態
院の外観・まわりの景色(通勤の想像) 給与の幅・福利厚生・応募の方法

写真で気をつけたいのは、次の3つです。

  • スタッフ本人の写真を使う:フリー素材の写真では、その病院の雰囲気は伝わりません
  • 今いるスタッフで撮る:辞めた人が写っている写真は、見た人に不安を与えます
  • 掲載の同意をとる:スタッフの顔を載せるときは、本人の同意をとっておきます

文章で気をつけたいのは、「アットホームな職場です」「やりがいがあります」のような、どの病院にも当てはまる言葉で終わらせないことです。「月に1回、獣医師と看護師で症例を振り返る会をしています」のように、事実で書くと伝わります。

当社で制作する採用サイトでは、たとえば「メッセージ・理念」「職場環境・働く人」「仕事内容」「教育・キャリア」「データで見る」「募集要項・エントリー」のように、求職者が知りたい順に内容を並べています。病院ごとに載せる内容は変わりますが、項目を考えるときの参考にしてください。

写真を選ぶときは、顔がはっきり写っていなくても、採血のときの獣医師と看護師の連携や、ランチの時間の様子など、働いている姿が伝わるものを優先しています。斜めになっている写真や、切り抜くと頭や顔が切れてしまう写真は外します。

撮影のときに気をつけていることの候補です。

・撮影の前にスタッフと雑談して、カメラに慣れてもらう時間をとる ・ポーズをお願いせず、いつもの業務をしてもらいながら撮る ・スタッフ同士の会話の中で撮り、カメラを意識しない瞬間を待つ ・動物と一緒の場面を撮る

獣医師が院長1人、スタッフが顔を出したくない場合はどう載せる?

獣医師が院長1人の病院でも、スタッフが顔を出したくない場合でも、採用ページは作れます。インタビューの代わりに院長のあいさつを厚くし、スタッフの声は匿名のイラストで載せる方法があります。

獣医師が院長1人なら、院長のあいさつをインタビューの代わりにする

獣医師が院長だけの病院では、「先輩獣医師の声」を載せることができません。その場合は、院長のあいさつをインタビューの代わりにします。ある病院では、獣医師のページからスタッフインタビューを外し、トップに「院長の経歴とあいさつ」を院長ご自身の言葉で書いていただきました。

院長のあいさつには、次のことを入れると、インタビューの役割を果たせます。

  • 獣医師になった理由と、この病院を開いた理由
  • どんな診療を大切にしているか
  • 一緒に働く獣医師に、どう育ってほしいか(任せたい役割・将来の姿)
  • 院長が一緒に働いて「この人と働きたい」と思う人の姿

スタッフは顔を出さず、匿名のイラストで載せる方法もある

スタッフの中には、顔や名前を出したくない方もいます。実名を載せると、SNSなどで本人が特定されるおそれもあります。その場合は、顔写真の代わりにイラストを使い、「Aさん」「Bさん」のように匿名で載せる方法があります。

顔が見えなくても、入職した理由・1日の流れ・仕事で大変なことと支えてもらったこと、といった中身が具体的であれば、求職者には職場の様子が伝わります。院内の写真は、処置中の連携や休憩中の様子など、顔が目立たなくても働く姿が分かるものを選ぶと、匿名のインタビューと組み合わせやすくなります。

応募フォームと連絡先は「電話だけ」にしない

応募の方法は、電話のほかに、24時間いつでも送れる応募フォームを置きます。仕事のあとや夜に、スマホで求人を見る求職者は少なくありません。電話しか方法がないと、「診療中に電話して迷惑ではないか」と考えて、応募の手前で止まってしまいます。

置き方のチェックリストです。

  • 応募フォームを、採用ページの最後と、ページの途中(募集要項のすぐ下など)に置く
  • 「応募」とは別に「見学の申し込み」を用意する(いきなり応募するのはハードルが高い人のため)
  • フォームの入力項目は、名前・連絡先・希望職種・ひとこと、くらいに絞る(履歴書は後で)
  • スマホで入力しやすいか、実際に自分のスマホで送ってみる
  • 電話で受け付ける場合は、電話に出られる時間帯を書く
  • 送ってから何日以内に返信するか、目安を書く
  • 届いたフォームを、だれが・いつ確認するかを院内で決めておく

返信の目安を書いておくと、求職者は安心して待てます。ただし、書いた日数を守れないと逆効果になるので、院内で確認する人を決めてから書きます。

数字と応募のボタンは、ページの上の方に置く

休日の数・給与の幅・残業の時間などの数字と、応募や問い合わせのボタンは、ページの上の方に置きます。求職者は複数の病院を見比べているので、知りたい数字や応募の入口がページのかなり下にあると、そこまでスクロールする前に離れてしまうことがあります。

当社がかかわった採用サイトの見直しでも、「問い合わせへの入口がページの下の方にしかない」「数字のデータをもっと上に」という点が改善点として挙がりました。

  • 最初の画面か、そのすぐ下に、休日・給与の幅など目を引く数字を2〜3個置く
  • 応募・見学のボタンを、ページの上の方と最後の両方に置く
  • スマホでは、画面の下に応募ボタンを固定しておく方法もある

よくある抜け漏れ:古い情報と「募集中か分からない」状態

採用ページで多い抜け漏れは、情報が古いこと、そして「いま募集しているのか分からない」ことです。どちらも、求職者に「このページは放置されているのでは」と思わせてしまいます。

公開する前と、公開したあとも定期的に、次の点を見直します。

  • 更新日、または「◯年◯月時点」の表示がある
  • いま募集している職種と、募集を締め切った職種が分かる
  • 求人サイトに出している条件と、採用ページの条件が同じ
  • 写真に写っているスタッフが、いまも在籍している
  • 給与が「応相談」だけになっていない(幅だけでも書く)
  • 募集要項がPDFだけになっていない(スマホで読みにくいため)
  • ホームページのトップから、採用ページに1回で行ける
  • 応募フォームが実際に届く(テストで送ってみる)
  • 病院の名前で検索したときに、採用ページが見つかる

とくに見落とされやすいのが、ホームページのトップから採用ページへの入り口です。メニューの奥にしかないと、病院の名前で検索して来た求職者が採用ページにたどり着けません。

採用ページは、作ったあとに更新し続けて初めて「いまの病院」を伝えられます。募集を始めるとき・締め切るとき・スタッフが入れ替わったときを、見直しのタイミングにすると続けやすくなります。採用ページを含めた採用の流れ全体は「動物病院の採用ガイド」で、求人サイトとの使い分けは「求人サイトと自院の採用サイトの使い分け」で解説しています。

動物病院の採用ガイド|求人票・採用ページ・面接・定着の全体像動物病院の採用を、求人票・媒体・採用ページ・応募対応・面接と見学・定着の6段階で整理しました。段階ごとのつまずきと見直すこと、紹介会社と求人サイトの役割分担、何から始めるかを獣医師資格を持つデザイナーが解説します。connectcreate.jp/vdesign/column/animal-hospital-recruitment-guide

まとめ

  • 求職者が採用ページで確かめているのは「働く人・雰囲気・1日の流れ・教育・休み」
  • 職種ごとに知りたいことが違うので、獣医師・愛玩動物看護師・受付やトリマーで項目を分ける
  • 雰囲気は写真で、中身と条件は事実の文章で伝える
  • 応募は電話だけにせず、応募フォームと見学の申し込みを用意する。数字と応募のボタンはページの上の方に置く
  • 獣医師が院長1人なら院長のあいさつを厚くし、顔を出したくないスタッフは匿名のイラストで紹介する
  • 更新日と募集中かどうかを書き、公開後も定期的に見直す

まずは、いまの採用ページを上のチェックリストと見比べて、足りない項目を書き出すところから始めてみてください。採用ページをこれから作る場合の進め方は、採用サイト制作のページでご紹介しています。

動物病院の採用ミスマッチを防ぐ|採用サイトは合う人を選ぶ道具動物病院の採用のミスマッチは、入職前と入職後のずれから起きます。採用サイトに理念や合わない人、忙しさや教育の実際をどう書くか、見学・面接での確かめ方と定着とのつながりを、獣医師資格を持つデザイナーが解説します。connectcreate.jp/vdesign/column/animal-hospital-recruit-mismatch

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