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採用

動物病院の採用サイトと求人サイトの使い分け|費用の考え方

(更新:)約11分で読めます

獣医師資格を持つデザイナーが書いています

「紹介会社の手数料が毎回重い」「求人サイトに出し続けているけれど、これでいいのか分からない」。採用にかける費用について、こうした迷いを持っている院長先生は少なくありません。

紹介会社・求人サイト・自院の採用サイトは、どれが良い・悪いではなく、費用のかかり方と得意なことが違います。この記事では、3つの違いを整理し、院に合った使い分けと、採用サイトを作るときの費用の考え方をまとめます。

この記事で分かること

  • 紹介会社・求人サイト・自院の採用サイトの、費用のかかり方の違い
  • それぞれが向いている場面と、組み合わせ方
  • 採用サイトを作るときに、費用をどう考えればいいか

3つの違いは「費用がいつ、何に対してかかるか」

紹介会社・求人サイト・自院の採用サイトの違いは、費用が「1人採るたび」「掲載している期間ごと」「作るときに1回」のどれでかかるかです。この違いが分かると、どれをどう組み合わせればいいかが見えてきます。

費用がいつかかるかの比べ:紹介会社は1人採るたびに手数料、求人サイトは掲載の期間ごとに費用で終わると見えなくなる、自院の採用サイトは作るときに1回で作ったあとも残る

紹介会社(人材紹介) 求人サイト 自院の採用サイト
費用のかかり方 採用が決まったら、1人ごとに手数料 掲載の期間ごと(応募や採用ごとに払う形もある) 作るときに制作費。作ったあとも残る
費用の目安の決まり方 採用した人の年収 × 手数料率 掲載の期間・プラン 制作の内容
止めたらどうなるか 紹介が止まる 掲載が終わり、求人も見えなくなる 公開しているあいだ、見られ続ける
得意なこと 条件に合う人を探して、つないでくれる 多くの求職者に病院を知ってもらう 病院の雰囲気と中身を詳しく伝える
病院が伝えられる情報 紹介会社の担当者を通して 求人サイトの決まった枠の中で 病院が伝えたいことを、伝えたい形で

紹介会社:1人採るたびに、年収に応じた手数料

紹介会社は、採用が決まったときに、採用した人の年収に対する割合で手数料を払う形が多く見られます。厚生労働省の委託で2022年9月に行われた調査では、紹介会社を使った求人者の回答による手数料率(年収に対する比率が一律の場合)の平均は、医療・介護・保育の職種で年収の24.79%、それ以外の職種で32.40%でした。動物病院の職種だけの数字ではないので、目安として見てください。

手数料は、1人採るたびにかかります。毎年人を採る病院では、そのたびに同じ費用が積み重なります。また、紹介を止めると、紹介会社経由の採用もそこで止まります。

紹介会社と契約する前に、手数料率と、早く辞めてしまったときの返金の決まりを確かめておくと安心です。

求人サイト:掲載しているあいだに知ってもらう

求人サイトは、掲載の期間ごとに費用を払う形が基本で、多くの求職者に病院を知ってもらう入口になります。サイトによっては、応募や採用が決まったときに費用がかかる形もあります。

掲載が終わると、求人はサイトから見えなくなります。また、載せられる情報は求人サイトが決めた枠の中なので、ほかの病院と同じ形式で並べて比べられます。

自院の採用サイト:作ったあとも、病院の情報として残る

自院の採用サイトは、作るときに制作費がかかり、作ったあとは病院の情報として残り続けます。媒体の掲載を止めても、病院の名前で検索した人には見つけてもらえます。

一方で、採用サイトを作っただけでは、求職者に知ってもらう力は強くありません。病院の名前を知らない人に届けるには、求人サイトやハローワーク、学校とのつながりなど、知ってもらう入口が別に要ります。

これまでご相談を受けた中では、紹介会社について複雑な思いを話される院長先生が何人もいらっしゃいました。

「人材紹介会社は通したくない」とはっきりおっしゃる方もいれば、「獣医師は紹介会社経由でないとほとんど採用できないが、以前来てくれた人は病院に合わなかった」という方もいました。郊外の病院では、紹介会社や求人サイトに出していても、ほとんど紹介がないというお話もうかがいました。

費用そのものより、「お金をかけても、病院に合う人に出会えるとは限らない」ことに悩まれている、というのが率直な印象です。

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それぞれが向いている場面

3つは、病院の採用の状況によって向き不向きがあります。「いまの採用で何に困っているか」から選ぶと、迷いにくくなります。

紹介会社が向いている場面

  • 急に欠員が出て、すぐに1人採りたいとき
  • 経験のある獣医師など、条件をしぼって探したいとき
  • 院長先生やスタッフに、応募対応や面接の調整をする時間がとれないとき

求人サイトが向いている場面

  • 病院の名前をまだ知られていない地域で、まず知ってもらいたいとき
  • 愛玩動物看護師・受付・トリマーなど、複数の職種をまとめて募集したいとき
  • 募集する時期が決まっていて、その期間に集中して出したいとき

自院の採用サイトが向いている場面

  • 毎年、または定期的に人を採る予定があるとき
  • 求人サイトで病院を知った人が、応募の前に詳しく調べる受け皿がほしいとき
  • 紹介会社の手数料に頼らずに、採用を続けられる形をつくりたいとき
  • 病院の考え方や雰囲気に合う人に来てほしいとき

あわせて、ハローワークは求人の申し込みに費用がかからない公的な窓口です。地域で仕事を探している人に届くので、どの組み合わせでも出しておくと入口が増えます。

「求人サイトで知って、採用サイトで決める」流れ

求人サイトと採用サイトは、どちらかを選ぶものではなく、「知ってもらう」と「決めてもらう」で役割を分けると、両方が生きてきます。

求職者の動きは、おおむね次のような流れです。

  1. 求人サイトや学校の求人票で、病院を知る
  2. 病院の名前で検索する
  3. 病院のホームページや採用サイトで、働く人・雰囲気・教育・休みを確かめる
  4. 見学や応募を申し込む

2025年5月に、人材紹介サービスに登録する動物看護師192名を対象に行われた就業実態調査では、就職活動で使った媒体は求人情報サイト(50.0%)、次いで「動物病院のウェブサイト」(29.2%)でした。求人サイトで知ったあと、病院のサイトで確かめる人が少なくないことがうかがえます。

この流れで考えると、求人サイトの原稿は「採用サイトを見に来てもらう」ための入口になります。求人サイトの枠に入りきらない、院長の考え・スタッフの声・1日の流れ・教育の進め方は、採用サイトで伝えます。

採用サイトがあると、次のような良さもあります。

  • 求人サイトを変えても、病院の伝えたいことは同じ形で届く
  • 紹介会社から紹介された人も、面接の前に病院のことを知ってから来られる
  • 学校の先生や、スタッフの知り合いに病院を紹介するときに、URLを渡せる
  • 撮影した写真を、求人サイトやSNSにも使い回せる

採用サイトに載せる項目は「動物病院の採用ページに載せるべき項目」で、職種別のチェックリストにしています。

当社では、求人サイトは「病院を知ってもらう入口」、採用サイトは「来てくれた人に応募を決めてもらう場所」と分けてお伝えしています。

求人サイトの原稿には、職種・給与の幅・休日の数・勤務地など、見比べられる条件を正確に書きます。そのうえで原稿に採用サイトのURLを載せ、院長の考え・スタッフの声・1日の流れは採用サイトで読んでもらう形です。

採用サイトを公開したあとは、求人媒体に載せているURLを採用サイトに変えていただくようお願いしています。採用サイトへの入口が増えるほど、検索での評価にもつながりやすくなります。

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採用サイトを作るときの費用の考え方

採用サイトの費用は、「制作費」だけでなく、「公開したあとにかかる費用」と「何年使うか」をあわせて考えると、ほかの採用の手段と比べやすくなります。

制作費と、公開後の費用を分けて見る

採用サイトにかかる費用は、作るときの費用と、公開したあとの費用に分かれます。

  • 作るとき:構成・デザイン・実装の費用。撮影や文章づくりまで頼むかどうかで変わる
  • 公開したあと:ドメイン(サイトのアドレス)の費用、サイトを置く場所の費用、更新を頼む場合の費用

制作会社によっては、公開したあとに毎月の保守の費用や、更新を頼むたびの費用がかかることがあります。見積もりを比べるときは、公開してから数年分の費用まで並べて見ると、違いが分かります。

紹介会社の手数料と、同じものさしで比べる

紹介会社の手数料と比べるときは、「1人あたりいくらか」と「何年でいくらか」の両方で見ます。

紹介会社の手数料は、おおむね次の式で考えられます。

  • 1人あたりの手数料 = 採用した人の年収 × 手数料率
  • 1年あたりの費用 = 1人あたりの手数料 × その年に紹介会社から採用した人数

一方、採用サイトの費用は、作るときに1回かかり、公開後の費用を足したものを、使う年数で割って考えます。院の採用予定の人数と、想定している年収をあてはめて、両方を比べてみてください。

ただし、採用サイトは作っただけで応募が来るものではありません。知ってもらう入口(求人サイト・ハローワーク・学校)と組み合わせて初めて働くことを前提に、比べることが大切です。

当社の場合の費用

当社の採用サイトの制作は、ご希望の構成でつくる制作プランが35万円(税別・約3か月・5ページ程度)、採用の戦略から一緒につくる戦略+制作プランが150万円(税別・約4か月)です。STUDIO(ホームページ制作ツール)でつくるので、募集要項や写真はご自身で更新できます。公開後の運用費用はいただきません。STUDIO の利用料(月1,190円から)とドメイン代の実費のみ、ご負担いただきます。

プランの違いと選び方は、料金とプランの選び方でご説明しています。

費用の前に決めておきたいこと

採用サイトの費用を考える前に、「どんな人に来てほしいか」と「年に何人くらい採りたいか」を決めておくと、必要な内容と予算の考え方がはっきりします。

  • 来てほしい人:職種・経験・病院の考え方に合う人の姿
  • 採りたい人数と時期:毎年か、欠員が出たときか
  • 伝えたいこと:病院の強み・教育・働き方で、ほかの病院と違うところ
  • 更新する人:募集要項や写真を、院内のだれが直すか

当社では、採用サイトの費用を「作るときの費用」と「公開したあと毎月かかる費用」に分けて見ていただくようお伝えしています。制作はあとからやり直すと時間も費用も大きくかかりますが、公開後の運用は、最初は小さく始めても途中から変えられます。見積もりを比べるときは、公開後に毎月いくらかかるか、何年の契約になるか、ドメインやサーバーの管理権限を病院が持てるかを確かめてください。

ご相談の中には、運用に毎月数万円かかると思っていたところ、実際はツールの利用料とドメイン代の実費だけと分かり、作ることを前向きに考え始めた院長先生もいました。

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まとめ

  • 紹介会社は「1人採るたび」、求人サイトは「掲載期間ごと」、採用サイトは「作るときに1回」費用がかかる
  • 紹介会社は止めると紹介も止まり、手数料は採用した人の年収に応じてかかる
  • 採用サイトは作ったあとも残るが、知ってもらう入口と組み合わせて初めて働く
  • 「求人サイトで知って、採用サイトで決める」流れで、役割を分けて組み合わせる
  • 費用は、公開後の費用と使う年数まで含めて、紹介会社の手数料と同じものさしで比べる

まずは、去年1年で採用にかけた費用と人数を書き出し、どの手段にいくらかかったかを見てみてください。採用の流れ全体は「動物病院の採用ガイド」で、採用サイトの作り方は採用サイト制作のページでご紹介しています。

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