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採用

動物病院の採用サイトの効果とは?「打席」と「打率」で考える採用

(更新:)約11分で読めます

獣医師資格を持つデザイナーが書いています

「採用サイトを作ったのに、思ったほど応募が来ない」。採用サイトの効果に疑問を感じている動物病院の院長先生は少なくありません。実はそれは、採用サイトの出来だけの問題ではないことが多いのです。

採用は「打席(病院を知って、採用サイトを見に来る人の数)」と「打率(見に来た人が応募する割合・合う人が来る割合)」の2つに分けて考えると、どこに手を打てばいいかが見えてきます。採用サイトが上げるのは打率です。打席を増やすのは、別の手段で考える必要があります。

この記事で分かることは、次の3つです。

  • 採用サイトを作っても採れないときに、どこで止まっているかの見分け方
  • 打席(見に来る人)を増やす手段と、それぞれの向き不向き
  • 院長先生が月に1回見ておきたい、採用の数字

採用を「打席(知ってもらう・見に来てもらう)」と「打率(応募してもらう・合う人が来る)」に分けた図。打席の手段は求人媒体・人材紹介会社、学校・実習・見学、スタッフの紹介・SNS、Googleで見つけてもらうこと。打率を上げるのは採用サイトで、仕事の実際・院長の考え方・働く人の声を載せる

採用サイトを作ったのに採れないのはなぜ?

採用サイトを作っても採れない理由の多くは、「見に来る人が少ない(打席の不足)」か「見に来た人が応募しない・合わない(打率の不足)」のどちらかです。採用サイトが直接よくするのは打率の側で、打席は別に増やす必要があります。

この記事では、野球のたとえを次の意味で使います。

言葉 この記事での意味 主に効く手段
打席 病院を知って、採用サイトや求人を見に来る人の数 求人媒体・人材紹介・学校・紹介・SNS・Google
打率 見に来た人のうち、応募する人の割合。そして、合う人が来る割合 採用サイト(仕事の実際・院長の考え方・働く人の声)

採用の結果は、おおまかに「打席 × 打率」で決まります。打席がほとんどない状態では、採用サイトをどれだけ整えても応募は増えません。反対に、媒体にお金をかけて見に来る人を増やしても、受け皿のページが手薄だと応募の一歩手前で離れてしまいます。

採用サイトは「人を連れてくる道具」ではなく「来た人に応募を決めてもらう道具」です。ここを分けて考えないと、「採用サイトは効果がない」「媒体はお金ばかりかかる」と、どちらも中途半端に終わりがちです。

ある病院では、もともと公式サイトの中の採用ページに募集要項が「準備中」のまま、応募フォームもなく、電話の問い合わせもほとんどない状態でした。この場合は、打席より先に、受け皿(打率)が無いことが問題でした。

一方で、郊外の別の病院では、人材紹介会社や求人サイトからの紹介そのものがほとんどないというお話でした。こちらは打席の問題です。同じ「採れない」でも、止まっている場所がまったく違いました。

打席(見に来る人)を増やす方法は?

打席を増やす方法は、求人媒体・人材紹介・学校(実習・見学)・スタッフの紹介・SNS・Googleで見つけてもらうこと・求人媒体から採用サイトへのリンク、の大きく7つです。それぞれ費用のかかり方と、届く相手が違うので、病院の状況に合わせて2〜3個を組み合わせるのが現実的です。

手段 向いている場面 費用の考え方
求人媒体(求人サイト) まず広く知ってもらいたいとき 掲載のたびにかかる形が多い。止めると露出も止まる
人材紹介会社 獣医師など、急いで1人を採りたいとき 採用が決まったときにかかる形(成功報酬)が多く、1人あたりが大きくなりやすい
学校・実習・見学 新卒の獣医師・愛玩動物看護師を採りたいとき お金より、受け入れる時間と手間がかかる
スタッフの紹介 病院の雰囲気に合う人を採りたいとき 費用は小さいが、今いるスタッフが満足していることが前提
SNS(Instagramなど) 院内の日常を続けて見せられるとき 時間がかかる。続けるほど効いてくる
Googleで見つけてもらう 地元で探している人に届けたいとき 採用サイトとGoogleビジネスプロフィール(Googleマップに出る病院の情報)を整える手間
求人媒体から採用サイトへのリンク すでに媒体に出しているとき 追加の費用はほぼかからない

求職者は、どこで病院を探している?

動物看護師192名への調査(2025年)では、就職活動で利用した媒体の1位は求人情報サイト(50.0%)、2位は動物病院のウェブサイト(29.2%)でした。また、出身地と就職先の都道府県が同じ人が72.4%と、地元で就職する人が多いことも分かっています。

つまり、打席の入口として求人媒体は今も大きく、そのうえで「地元の病院を検索して、病院のサイトを見る」人も多いということです。求人媒体を使いながら、Googleで病院名や「地域名+動物病院+求人」で探されたときに、採用サイトが出てくる状態を作っておくと、打席を取りこぼしにくくなります。

手軽に打席を増やす方法は?

すでに求人媒体や人材紹介を使っているなら、そこに載せる病院のURLを採用サイトに変えるのが、手軽にできる打席の増やし方です。媒体で病院を知った人が、そのまま採用サイトに来るようになります。ほかのサイトからのリンク(被リンク)は、Googleがサイトを見つけたり評価したりするときの手がかりの1つにもなります。

媒体の管理がバラバラだと、何が起きる?

求人媒体をいくつも使っていると、「どの媒体に、誰のアカウントで、どんな条件を載せているか」が分からなくなりがちです。ある病院では、求人サイトのパスワードが分からない、最低賃金が上がって条件を直したいのに管理している人が別で手が出せない、新しく登録しようとしたらすでに登録されていた、ということが重なっていました。

打席を増やす前に、「いまどこに出しているか」を一覧にしておくと、古い条件のまま出し続ける失敗を防げます。

動物病院の採用サイトと求人サイトの使い分け|費用の考え方動物病院の採用で、紹介会社・求人サイト・自院の採用サイトをどう使い分けるかを、費用のかかり方の違いから整理しました。向いている場面と、採用サイトを作るときの費用の考え方を、獣医師資格を持つデザイナーが解説します。connectcreate.jp/vdesign/column/animal-hospital-recruit-site-vs-job-sites

打率を上げるのは採用サイト?

打率を上げる中心になるのは採用サイトです。求人媒体や紹介で病院を知った人は、応募の前に病院のサイトを見に来ます。採用サイトは、その人が「ここで働くか」を最後に確かめる場所です。

求人媒体の載せ方は、どの病院もほぼ同じ形式です。給与・勤務時間・休日が並ぶだけでは、病院同士の違いが伝わりません。採用サイトでは、媒体では書ききれない次のことを、病院の言葉で伝えられます。

  • 仕事の実際:1日の流れ、担当する診療や業務、教育の進め方
  • 院長の考え方:どんな診療を大切にしているか、どんな人と働きたいか
  • 働く人の声:スタッフが感じている働きやすさ、入ってから驚いたこと(顔や実名を出さない形でも作れます)
  • 応募の方法:応募フォーム、見学の申し込み、返信までの目安

採用サイトに何を載せるかは、動物病院の採用ページに載せるべき項目で、職種ごとに詳しくまとめています。求人媒体と採用サイトの役割分担や費用の考え方は、求人サイトと自院の採用サイトの使い分けをご覧ください。

打率は、応募のあとの対応にも左右されます。応募に気づくのが遅れて、そのあいだにほかの病院に決まってしまう、ということもあります。応募が来ない理由を5つに分けて整理した動物病院の求人に応募が来ない5つの理由と改善策もあわせてどうぞ。

採用サイトは「ふるい」でもある?

採用サイトには、応募の数を増やすだけでなく、合う人を選ぶ「ふるい」の役割もあります。ここでいう打率には「応募する割合」と「合う人が来る割合」の2つが入っていて、採用サイトはその両方に効きます。

ご相談の中で、院長先生から「サイトを作ったから人が来るわけではない」と言われたとき、当社は次のようにお伝えしたことがあります。採用サイトは、作れば応募が増えるというより、病院に合う人を選ぶ精度を上げる道具で、合う人が入ることで、入ってからの退職を減らすことにつながる、と。

ふるいとして働く採用サイトは、良いことだけを並べません。病院の魅力と一緒に、大切にしていることや、合わないかもしれない人のことも書きます。

応募を見送る人がいるのは失敗?

合わない人が応募を見送るのは、失敗ではありません。応募の数が少し減っても、面接に来る人の多くが病院の考え方を知ったうえで来るなら、面接の時間も、入ってからの「思っていたのと違った」も減らせます。

採用サイトの効果は、応募の数だけでなく「面接に来た人のうち、合う人の割合」と「入ってから続いているか」で見ることをおすすめします。合う人を選ぶ書き方は、採用のミスマッチを防ぐで詳しく書いています。

ある病院の採用サイトでは、獣医師の休みの取りやすさを大きな訴求にしました。ただ、院長先生からは「休みだけが欲しい人が来ると困る」というお話があり、長く働いて、ゆくゆくは病院を支えてくれる人に来てほしいという考えでした。そこで、休みを研修や自己研鑽に使えるという文脈で見せることにしました。

動物病院の採用ミスマッチを防ぐ|採用サイトは合う人を選ぶ道具動物病院の採用のミスマッチは、入職前と入職後のずれから起きます。採用サイトに理念や合わない人、忙しさや教育の実際をどう書くか、見学・面接での確かめ方と定着とのつながりを、獣医師資格を持つデザイナーが解説します。connectcreate.jp/vdesign/column/animal-hospital-recruit-mismatch

院長が月に1回見る数字は?

院長先生が月に1回見ておきたい数字は、「見られた数・応募数・面接数・採用数・定着」の5つです。どこで数字が止まっているかによって、打つ手が変わります。

数字 何が分かるか 止まっていたら打つ手
採用サイトが見られた数 打席が足りているか 媒体からのリンク、SNSでの発信、Googleで見つけてもらう準備
応募数 見に来た人が応募しているか(打率) 仕事の実際・院長の考え方・働く人の声を足す。応募フォームを分かりやすく
面接数 応募のあとの対応が間に合っているか 返信の速さ、面接日の調整の仕方を見直す
採用数 面接で合う人に会えているか 採用サイトで伝えている内容と、面接で話す内容をそろえる
定着(入って半年・1年後に続いているか) ふるいが働いているか 入った人に「聞いていた話と違ったところ」を聞き、採用サイトに戻す

見られた数は、Googleアナリティクス(サイトを見た人の数や、どこから来たかが分かる、Googleの解析ツール)で分かります。採用サイトを公開するときに設定しておくと、あとから「媒体から来た人」「Googleで検索して来た人」を分けて見られます。応募数から先は、院内で月に1回、簡単な表に書き出すだけで十分です。

数字を見るときは、1つの数字だけで判断しないことが大切です。たとえば応募が少ないとき、見られた数も少なければ打席の問題、見られた数はあるのに応募が少なければ打率の問題です。同じ「応募が少ない」でも、増やすべきは媒体なのか、採用サイトの中身なのかが逆になります。

まとめ

  • 採用は「打席(見に来る人の数)」と「打率(応募する割合・合う人が来る割合)」に分けて考える
  • 採用サイトが上げるのは打率。打席は、求人媒体・人材紹介・学校・紹介・SNS・Googleなど、別の手段で増やす
  • 手軽にできる打席の増やし方は、求人媒体に載せるURLを採用サイトに変えること
  • 採用サイトは「ふるい」でもある。合わない人が応募を見送るのは失敗ではない
  • 月に1回、見られた数・応募数・面接数・採用数・定着を見て、止まっている場所に手を打つ

まずは今月の「採用サイトが見られた数」と「応募数」を並べて、打席と打率のどちらで止まっているかを確かめてみてください。採用の全体像は動物病院の採用ガイドに、採用サイトの制作については採用サイト制作のページにまとめています。

動物病院の採用ガイド|求人票・採用ページ・面接・定着の全体像動物病院の採用を、求人票・媒体・採用ページ・応募対応・面接と見学・定着の6段階で整理しました。段階ごとのつまずきと見直すこと、紹介会社と求人サイトの役割分担、何から始めるかを獣医師資格を持つデザイナーが解説します。connectcreate.jp/vdesign/column/animal-hospital-recruitment-guide

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