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動物病院のホームページ制作会社の選び方|依頼前のチェックリスト

(更新:)約15分で読めます

獣医師資格を持つデザイナーが書いています

「ホームページ制作会社を検索すると、たくさん出てきて違いが分からない」「前に頼んだ会社では、公開したあと何も変えられなかった」。制作会社選びで迷っている院長先生は少なくありません。

制作会社の良し悪しは、制作事例の見た目や金額だけでは分かりません。ホームページは開業やリニューアルのあと数年間、病院の第一印象を決め続けるものです。そして、作り直すには大きな費用がかかります。だからこそ、依頼する前に確かめておきたいことがあります。

この記事で分かること

  • 動物病院のホームページ制作会社を選ぶときに確かめたい8つのこと
  • 制作と運用、どちらにお金をかけるべきか
  • 見積もりと契約の見方、打ち合わせで聞くとよい質問、実際にあった失敗

制作会社選びで確かめたいのは何?

確かめたいのは、作る前の4つ(目的・デザインの細部・文章・撮影)と、作ったあとの4つ(更新・管理の権限・契約の縛り・獣医療広告への配慮)です。見た目の好みは、そのあとで比べても遅くありません。

制作会社選びで確かめたい8つ。作る前:目的から相談に乗るか・デザインの細部・誰が文章を書くか・撮影。作ったあと:自分で更新できるか・管理の権限・契約の縛り・獣医療広告への配慮

確かめること 見るところ
1. 目的から相談に乗るか 集客や採用の課題、誰に何を届けたいかから一緒に考えてくれるか
2. デザインの細部 実際のサイトをスマホで見て、作りこみ・写真・事例の幅を確かめる
3. 誰が文章を書くか 病院が書くのか、制作会社が書くのか。専門的な内容をどう扱うか
4. 撮影 撮影が含まれるか。誰が撮るか。撮った写真をほかにも使えるか
5. 自分で更新できるか お知らせ・診療時間・写真を病院で直せるか。マニュアルと説明の機会があるか
6. 管理の権限 ドメイン・サーバー・アクセス解析の権限が、病院に渡されるか
7. 契約の縛り 長い年数の縛りや、運用費用の先払いがないか
8. 獣医療広告への配慮 獣医療広告のルールを知ったうえで、文章を整えてくれるか

1. 目的から相談に乗ってくれるか

ホームページは、集客や採用の課題を解決するための手段です。良い制作会社は、デザインの話の前に「どんな病院にしたいか」「どんな飼い主様に来てほしいか」「どんなスタッフと働きたいか」を聞いてきます。

目的を決めないまま「とりあえず一般的なデザイン」で作ると、きれいでも問い合わせや応募につながりません。検査をせずに、とりあえずお薬を出しておくのと同じで、原因に合っていなければ結果は出ないのです。

目的から整理していくと、ホームページができるだけでなく、院長先生の頭の中やスタッフのあいだの考えもはっきりしてきます。打ち合わせで、制作会社がサイトの外の相談(採用の進め方、院内での伝え方など)まで乗ってくれるかも見てみてください。

2. デザインの細部を確かめる

飼い主様は、ふだんからたくさんのSNSやサイトを見ています。ホームページの質は、開いた瞬間の雰囲気で伝わります。ぎこちないデザインや、どこかで見たような型どおりのデザインだと、良い印象が残らず、そもそも来院につながりません。問い合わせが来ないので、機会を逃していることにも気づきにくいのが怖いところです。

制作事例を見るときは、画像だけでなく実際のサイトを開いて、スマホで次のところを見てください。

  • 診療時間や休診日がすぐに分かるか。電話や予約に迷わずたどり着けるか
  • 上のメニューを押すと、別のページに移るか(同じページを下に送るだけの、1ページのサイトではないか)
  • 写真のピントが合っているか。1枚ずつ、病院らしさが伝わる写真か
  • 制作事例のサイトどうしが、似たものばかりになっていないか

提案の資料や見積書のつくりも、手がかりになります。細部まで気を配っている会社は、資料にもそれが表れます。

3. 誰が文章を書くか

文章を誰が書くかで、院長先生の手間と、サイトの伝わり方が大きく変わります。「文章は病院でご用意ください」という制作会社も多く、その場合は診療の合間に原稿を書くことになります。

制作会社が書く場合は、獣医療の内容をどう扱うかを聞いておきましょう。専門用語をそのまま並べると飼い主様に伝わらず、言い換えすぎると不正確になります。この加減は、獣医療が分かる人が関わっているかどうかで差が出るところです。

4. 撮影

写真は、病院の雰囲気を伝える大きな手がかりです。撮影が含まれているか、誰が撮るのか、撮った写真を求人媒体やSNSにも使えるかを確かめてください。

動物病院の撮影は、診療を止めないこと、動物に負担をかけないことが前提です。診療の流れが分かっているカメラマンかどうかで、撮れる写真が変わります。

5. 自分で更新できるか

公開したあとに、お知らせ・診療時間・スタッフ紹介・写真を病院で直せるかどうかは、長く使えるサイトかどうかを分けるところです。こうした更新はそれほど難しくありません。更新のたびに制作会社へメールして、直るまで待つ形だと、忙しい中で大きなストレスになり、だんだん更新しなくなります。

「どの画面から、何を直せるのか」「すべての機能のマニュアルはあるか」「操作を説明してもらう機会はあるか」まで聞いておくと安心です。「管理・更新は病院でやる」という選び方を、制作会社のほうから示してくれるかどうかも、病院の先々を考えてくれているかの目安になります。

6. 管理の権限が病院に渡されるか

ドメイン(〇〇.com などのサイトのアドレス)とサーバー(サイトのデータを置く場所)は、病院のクレジットカードで直接支払う形にして、それぞれの管理画面のIDとパスワードを病院でも持っておくのが安心です。Googleアナリティクス(アクセス解析)やGoogleサーチコンソール(検索での見え方を調べる道具)も、病院がオーナーの権限を持つようにしましょう。

権限が制作会社にしかないと、リニューアルのときにアドレスを引き継げず、それまでの検索での評価も失ってしまうことがあります。「管理は難しいので」と言われても、マニュアルで引き継いでもらえるかを聞いてみてください。

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7. 契約の縛り

5年・6年といった長い年数の縛りがある契約は、署名の前によく考えてください。毎月の運用費用を先に払ってしまうと、制作会社の側にはサービスの質を上げる理由が少なくなります。担当者が替わって対応が遅くなっても、途中で解約すると違約金がかかり、別の会社で作り直す費用も重なります。

縛りのない契約で、病院がいつでも自分で管理を引き取れる形にしてくれる会社は、中長期で病院のことを考えてくれている会社だといえます。

8. 獣医療広告への配慮

獣医療の広告には、獣医療法でルールが決まっています。農林水産省の「獣医療広告ガイドライン」(2024年4月施行の改正版)では、病院のホームページは、飼い主様が自分で検索して見るものなので、原則として、現時点では広告には当たらないとされています。

ただし、ウェブ広告、検索結果の上位に出るもの、チラシの二次元コード(QRコード)やバナー広告から飛ぶもの、SNSで広く広まるものは、広告に当たりうると書かれています。さらに、ホームページであっても、事実と違う内容や大げさな内容、ほかの病院と比べる内容は、厳に慎むべきとされています。

診療内容をくわしく載せるときは、問い合わせ先・通常必要とされる診療の内容・主なリスクや副作用・費用をあわせて載せることが望ましい、ともされています。制作会社がこうしたルールを知らないと、「地域で一番」のようにほかの病院と比べる表現や、治療の効果を大げさに受け取られかねない表現を、よかれと思って入れてしまうことがあります。

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動物病院ならではの確認点

8つのほかに、動物病院のホームページならではの確認点があります。制作会社がこれらを聞いてくるかどうかで、動物病院への理解の深さが分かります。

  • 予約と待ち時間の案内:予約制か、順番待ちか、予約なしでも診てもらえるか。来院前に飼い主様が迷いやすいところを、どう見せるか
  • 夜間・救急の案内:診療時間外に具合が悪くなったとき、どこに連絡すればよいか。対応していない場合に、その旨をどう伝えるか
  • 診る動物の種類:犬・猫のほかに、うさぎ・小鳥・爬虫類などを診るかどうか。診ない動物をはっきり書いておくと、飼い主様も受付も迷わない
  • 紹介や連携の案内:二次診療施設(専門的な検査や治療を行う病院)への紹介や、かかりつけ医としての役割をどう伝えるか
  • 予防の季節の更新:狂犬病予防・フィラリア・ノミダニ・ワクチン・健診などの案内を、季節ごとに病院で差し替えられるか

制作と運用、どちらにお金をかけるべき?

先にお金をかけたいのは制作です。運用(公開後の管理・更新)は最低限から始めても困りませんが、制作はあとから変えようとすると、時間も費用も大きくかかるからです。

制作はあとから変えにくく、運用はいつからでも直せる。燃費の悪い車は、燃料代をかけても遠くまで走れない

車にたとえると分かりやすくなります。最初に燃費の悪い車を買うと、毎月いくら燃料代をかけても遠くまでは走れません。燃費の良い車に先に投資すれば、燃料代をそれほどかけなくても遠くまで走れます。運転の仕方やルートはあとから安く変えられますが、車そのものを買い替えるのは大きな出費です。

注意したいのは、「制作費は安いけれど、毎月の運用費用が高く、年数の縛りがある」という組み合わせです。制作費だけを見ると安く見えても、運用費用を数年分足すと、高い制作費と変わらない総額になることがあります。

たとえば、自分で管理すれば月2,000円ほどで済むサーバー代・ドメイン代に、月1万円を5年払うと、差額は8,000円×12か月×5年=48万円です。毎月の打ち合わせや、検索の対策、ブログの更新、経営の相談まで丁寧にしてくれるなら見合う金額です。一方、年に1〜2回、文字や画像の差し替えを頼むだけなら、その分を最初の制作にかけたほうが、成果の出るサイトを作れます。

「運用は丸投げできるので楽です」という案内にも、少し注意が必要です。丸投げできるということは、型どおりの対応になりやすく、病院の細かい事情が反映されにくいということでもあります。病院の中に運用の知恵がたまらず、ずっと頼り続けることになります。ブログの書き方や検索の対策の考え方を教えてくれて、診療の合間や事務スタッフの業務として続けられるように支えてくれる会社を選びましょう。

見積もりは「含まれるもの」と「あとから増えるもの」で見る

見積もりは総額ではなく、何が含まれているかと、あとから何が増えるかで比べます。同じ「30万円」でも、中身が違えば比べられません。

含まれているかを確かめたいもの

  • 企画(ヒアリング・ページの構成を決める作業)
  • オリジナルのデザインか、テンプレート(決まった型)か
  • ページの数(1ページだけのサイトではないか)
  • 文章の作成
  • 撮影
  • スマホ・タブレット対応、動きのある演出
  • お問い合わせフォーム
  • お知らせ・ブログの機能
  • SEO(検索で見つけてもらうため)の基本設定
  • アクセス解析の設定と、その権限を病院に渡すこと
  • ドメイン・サーバーの取得の手伝い(病院の名義で)
  • 操作の説明・マニュアル

あとから増えやすい費用

  • ページを足すときの費用
  • 公開後の更新を頼むたびの費用
  • 毎月の保守・運用の費用(何が含まれるか)
  • サーバー代・ドメイン代・制作ツールの利用料
  • 撮影や文章作成を「オプション」で足す費用
  • 途中でやめるときの費用(年数の縛りがある契約)

比べるときは、同じ条件を伝える

何社かに見積もりを頼むときは、どの会社にも同じ条件を伝えると比べやすくなります。たとえば「作りたいページ」「文章と撮影を頼みたいか」「公開後に自分で更新したいか」「公開したい時期」の4つを、最初にメモにして渡しておくと、見積もりの中身がそろいます。

公開後の費用は、5年分を足してから比べると違いがはっきりします。費用の内訳と作り方ごとの違いは、動物病院のホームページ制作の費用でくわしく解説しています。

打ち合わせでは何を聞けばいい?

打ち合わせでは、制作会社の説明を聞くだけでなく、こちらから質問すると違いが分かります。そのまま使える質問をまとめました。

進め方について

  • 公開までに、病院側は何回くらい打ち合わせに出る必要がありますか
  • 院長が用意するもの(文章・写真・資料)は何ですか
  • 誰に何を伝えるサイトにするかを、一緒に決めてもらえますか
  • デザインを決めたあとで、内容を変えたくなったらどうなりますか

文章と写真について

  • 文章は誰が書きますか。獣医療の内容は、どのように確かめますか
  • 撮影は誰がしますか。診療中に撮影してもらえますか
  • 撮った写真は、求人媒体やSNSにも使えますか

公開したあとについて

  • 公開後、お知らせや写真は病院で直せますか。マニュアルや操作の説明はありますか
  • 公開後に毎月かかる費用は、何にいくらですか。自分で管理する選び方もできますか
  • 契約に年数の縛りや、先払いはありますか
  • ドメイン・サーバーは誰の名義で取りますか。アクセス解析の権限はもらえますか
  • やめるときに、データと権限は渡してもらえますか

動物病院ならではの質問

  • 獣医療広告のガイドラインを踏まえて、文章を確かめてもらえますか
  • 診療科や専門外来のページは、どこまでくわしく書けますか
  • 採用のページは、公式サイトの中に作りますか、別に作りますか

実際にあった失敗は?

当社がご相談を受けた中には、次のような例がありました(病院が特定されないよう、内容を少し変えています)。

長い契約の途中で、担当者が替わってしまった

契約のときの担当者が良い人だったので、5年分の運用費用を先に払った病院がありました。ところが半年後に担当者が退職し、後任の方は返信が遅く、修正を頼んでも2か月返事がないこともありました。契約はあと3年残っていて、大きな金額を払ってしまったこともあり、違約金を払って別の会社に移る気にもなれなかったそうです。

ドメインの権限をもらえず、アドレスを引き継げなかった

リニューアルを別の会社に頼もうとしたとき、ドメインとサーバーの権限をもらおうとしたら、制作時の担当者が退職していて分からないと言われた病院がありました。それまでのアドレスと検索での評価を引き継げず、新しいドメインとサーバーで、ゼロから作り直すことになりました。

30万円で頼んだのに、短い1ページのサイトが届いた

30万円を払ってホームページを頼んだのに、スクロール3回ほどで終わる1ページだけのサイトが納品された、という例もあります。上にメニューがあっても、押すと同じページの中を移動するだけ、ということもあるので、契約の前に「ページの数」と「どのページを作るか」を確かめておきましょう。

目的を決めずに作り、あとから出費が増えた

開業のときに「とりあえずサイトが必要だから」と、内容にこだわらずに作った病院もありました。目的を考えずに作ったため、集客にも採用にも成果が出ず、人材紹介会社への依頼や広告など、あとから出費が重なることになりました。

反対に、リニューアルのあとに来院数や応募数が増えて、初めてそれまで機会を逃していたことに気づいた、という病院もあります。

まとめ

  • 制作会社は、目的・デザインの細部・文章・撮影・更新・管理の権限・契約の縛り・獣医療広告への配慮の8つで比べる
  • 制作はやり直しがきかないので、先にお金をかけるのは制作。運用は最低限から始めて、いつでも見直せる
  • 長い年数の縛りがある契約や、ドメイン・サーバーの権限を最初からもらえない形は、あとでトラブルになりやすい
  • 見積もりは「含まれているもの」と「あとから増える費用」に分け、5年分の総額で比べる
  • 目に見えるデザインだけでなく、目的・届けたい相手・解決したい課題から相談に乗ってくれる会社のほうが、集客や採用で成果が出やすい

この記事の確かめどころは、印刷して使える「ホームページ制作会社の選び方チェックリスト」にもまとめています(お役立ち資料)。ホームページを作る全体の流れは、動物病院のホームページ制作の進め方をご覧ください。

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