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動物病院のホームページ移行でSEOは落ちる?URL引き継ぎと転送

(更新:)約13分で読めます

獣医師資格を持つデザイナーが書いています

「ホームページを作り直したいけれど、今の検索の順位が落ちないか心配」「WordPressで何年も書いてきた院長ブログが、何百本もある」。リニューアルを決める直前に、こうした不安を口にされる院長先生は少なくありません。

結論からお伝えすると、URL(ページのアドレス)の引き継ぎと転送の設定をきちんとすれば、移行で順位が大きく落ちることは避けられます。反対に、この準備をせずに切り替えると、それまで積み上げてきた検索での評価を手放すことになりかねません。

この記事で分かること

  • ホームページを作り直すと、なぜ順位が落ちることがあるのか
  • URLが変わるときの301転送と、院長ブログの記事の扱い方
  • 移行の前・切り替えの日・切り替えの後に、病院でやること

ホームページを作り直すと、検索の順位は落ちる?

URLの引き継ぎと転送をきちんと設定すれば、移行で順位が大きく落ちることは避けられます。ただし、切り替えの直後は順位が一時的に上下することがあり、移転が検索に反映されるまでには数週間ほどかかるのが目安です。

Googleは、サイトに大きな変更があると、ページを読み直して登録し直します(クロールとインデックス)。Googleの公式ガイドでも、その間に順位が変動することがあるとされています。また、小〜中規模のサイトでは大半のページの移転が反映されるまでに数週間かかる、という目安が示されています。動物病院のホームページは多くがこの規模に入ります。

順位が大きく落ちるのは、多くの場合、次のどれかが起きたときです。

  • 古いURLが「ページが見つかりません」(404エラー)になり、検索からの入口が消えた
  • ドメイン(〇〇.com などのサイトのアドレス)を新しくしたのに、古いドメインから転送していない
  • よく読まれていたページや記事を、新しいサイトに移さずに消した
  • 新しいサイトを「検索に出さない」設定のまま公開してしまった

どれも、作り直すこと自体ではなく、引き継ぎの準備が足りないことが原因です。WordPressからSTUDIOなど別の作り方に乗り換える場合も同じで、使う道具が変わること自体より、URLとドメインをどう引き継ぐかで結果が決まります。

移行で順位を守るための3段階。移行の前:権限を病院の手元にそろえる、今のURLを一覧にする、ブログを残す・まとめる・消すを決める。切り替えの日:旧URLから新URLへ301転送、新しいサイトマップを送る、フォームと電話の動作を確かめる。切り替えの後:Search Consoleで数週間見る、404のページを直す、転送は1年以上残す

URLが変わるときは、何をすればいい?

URLが変わるページは、古いURLから新しいURLへ「301転送」を設定します。301転送とは、「このページは引っ越しました」とブラウザと検索エンジンに伝えて、古いアドレスに来た人を新しいアドレスへ自動で案内する設定です(リダイレクトとも呼びます)。

301転送と302転送の違い

転送には、引っ越しが「ずっと」なのか「一時的」なのかで種類があります。Googleの説明では、301(恒久的な転送)を使うと、Googleは新しいURLを検索結果に出し、転送先を正式なページとして扱います。302(一時的な転送)では、元のURLが検索結果に残りやすく、新しいURLを正式なページとみなす根拠にはなりません。ホームページを作り直すときは、元に戻す予定がないので301を使います。

転送は「1ページずつ、内容が対応するページへ」

転送は、古いページと内容が対応する新しいページへ、1ページずつ向けます。たとえば「/blog/filaria-2019」というフィラリア予防の記事は、新しいサイトのフィラリア予防の記事へ転送します。

Googleのガイドでは、たくさんの古いURLを、関係の薄い1つのURL(新しいサイトのトップページなど)へまとめて転送することは避けるよう書かれています。読む人が迷ううえ、「中身のないページ」(ソフト404)とみなされることがあるからです。面倒でも、古いURLの一覧を作って、1本ずつ転送先を決めておくのが近道です。

URLを変えずに移せるなら、それが手堅い

同じドメインのまま、ページのURLも変えずに移せれば、転送はほとんどいりません。WordPressから別の作り方に移す場合でも、新しいサイトで同じURLを作れるかを、制作会社に最初に聞いてみてください。全部は無理でも、よく読まれているページだけでも同じURLにできると、心配はかなり減ります。

商談では、まず「今のドメインをそのまま使い続けられるか」、次に「今のページのURLを、新しいサイトでも同じ形で作れるか」を確かめるようお伝えしています。どちらも、ドメインとサーバーの管理の権限が病院の手元にあるかで、できることが変わります。

院長ブログの記事が数百本あるときは、どうする?

数百本のブログ記事は、全部を同じように扱わず、「そのまま移す」「まとめる」「移さない」の3つに分けて決めます。決める手がかりは、アクセス解析とSearch Console(Googleが提供する、検索での見え方を調べる道具)で見る、記事ごとの読まれ方です。

分け方 どんな記事か どう扱うか
そのまま移す 検索から今も読まれている。病気の解説や予防の案内など、内容が古くなっていない 新しいサイトに移し、URLが変わるなら301転送する
まとめる 同じテーマの記事がいくつもある(毎年の「フィラリア予防のお知らせ」など) 1本の記事に書き直してまとめ、古い記事それぞれから、まとめた記事へ301転送する
移さない 休診のお知らせ、終わったキャンペーン、ほとんど読まれていない記事 移さずに消す。転送先がなければ「404」または「410」(ページを消したという合図)を返すようにする

Googleのガイドでも、ページを統合した場合は元のURLを統合後のページへ転送でき、削除したページは404か410を返すようにする、とされています。

全部移すべきか、迷ったら

迷ったら、検索から読まれている記事は残す、という考え方で決めるとよいでしょう。何年も前の記事でも、病気の解説や予防の時期の記事は、今も飼い主様に読まれていることがあります。一方で、休診のお知らせのように役目を終えた記事まで全部移すと、移す作業も、そのあとの管理も重くなります。

記事を移すときに気をつけること

記事の文章だけでなく、記事の中の画像、記事どうしのリンクも移します。WordPressから別の作り方に移すと、まれに画像がうまく表示されないことがあるので、公開前に記事を開いて確かめる時間を取っておきましょう。古い記事の中に、今の獣医療広告のルールに合わない表現(ほかの病院と比べる言い方や、効果を言い切る言い方)が残っていないかを見直すよい機会にもなります。

記事が数百本ある病院のご相談では、まずアクセス解析とSearch Consoleで記事ごとの読まれ方を見てから、残す・まとめる・移さないを分けるようご提案しています。

今も読まれる記事には、共通点があると感じます。継続して支援している病院で、検索やAIからよく読まれている記事を見ると、

①「〇〇病とは」ではなく「なぜこの数値だけ高いのか」のように問いが絞られている

②院長先生ご自身の考えや診療での見方が書かれている

③ガイドラインやデータなどの根拠が示されている

の3つがそろっていました。 書いてから半年以上たって、急に検索で読まれ始めた予防の記事もあります。古い記事でも、この3つを満たしているものは、消さずに残す候補にしてください。

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移行の前に確かめておく「権限」は?

移行の前に、ドメイン・サーバー・Googleアナリティクス・Search Consoleの4つについて、病院がオーナーの権限を持っているかを確かめます。301転送はドメインやサーバーの管理画面で設定するので、権限がないと、転送そのものができないことがあるからです。

確かめるもの 何のために必要か
ドメイン 同じアドレスを使い続ける・転送を設定する(DNS=ドメインの行き先の設定を触れるか)
サーバー(サイトのデータを置く場所) 古いサイトのURLを一覧にする。古いサイト側で転送を設定する
Googleアナリティクス(アクセス解析) どの記事・ページが読まれているかを見て、残す記事を決める
Search Console 検索から来ているページを確かめる。移行後の変化を見る

制作会社との契約書も見ておく

今のホームページを制作会社に管理してもらっている場合は、契約書で、解約の条件と、ドメインの持ち主がだれかを確かめておきましょう。ドメインが制作会社の名義になっていると、移すときに手続きが必要になったり、引き継げなかったりすることがあります。ドメインを引き継げないと、新しいドメインでゼロから検索での評価を積み直すことになります。

権限が分からないときは、まず今の制作会社に「ドメイン・サーバー・アナリティクス・Search Consoleの管理者がだれになっているか」を問い合わせてください。

ドメインを変える場合は、古いドメインを手放さない

病院名を変えたなどの理由でドメインそのものを変える場合は、Search Consoleの「アドレス変更ツール」を使って、Googleに引っ越しを知らせます。Googleのヘルプでは、古いドメインと新しいドメインの両方で所有者として確認されていること、古いトップページから新しいトップページへ301転送を設定していることが前提とされています。また、転送は少なくとも180日間は残し、古いドメインも悪用を防ぐために少なくとも1年は持ち続けることがすすめられています。同じドメインのままページのURLだけを変える場合は、このツールは使いません。

移行の前と後に、何をすればいい?

移行は「前の準備」「切り替えの日」「切り替えの後の確認」の3段階で進めます。とくに大事なのは、切り替える前に古いURLの一覧と転送先を決めておくことと、切り替えたあと数週間、Search Consoleで様子を見ることです。

移行の前にやること

  1. ドメイン・サーバー・アナリティクス・Search Consoleの権限が、病院の手元にあるかを確かめる
  2. 今のサイトのURLを一覧にする(サイトマップ=サイトのページの一覧ファイル、アクセス解析、Search Consoleから集める)
  3. よく読まれているページと記事を確かめ、ブログを「そのまま移す・まとめる・移さない」に分ける
  4. 古いURLごとに、新しいURL(転送先)を決めて表にする
  5. 新しいサイトの各ページに、正しいタイトルと説明文を入れる

切り替えの日にやること

  1. 古いURLから新しいURLへの301転送を設定する
  2. 新しいサイトが「検索に出さない」設定のままになっていないかを確かめる
  3. 新しいサイトマップをSearch Consoleから送る
  4. 予約・問い合わせのフォームや電話のリンクが動くかを、スマホで確かめる
  5. GoogleビジネスプロフィールやSNS、求人媒体に載せているホームページのURLも、新しいものに直す

切り替えの後にやること

切り替えのあとは、Search Consoleの「ページのインデックス登録」と「検索パフォーマンス」を見て、古いURLの表示が減り、新しいURLの表示が増えていくかを確かめます。404エラーが出ているページが見つかったら、転送先を足して直します。

Googleのガイドでは、転送はできるだけ長く、一般的には1年以上残すことがすすめられています。新しいサイトに慣れてきたころに、制作会社やサーバーの都合で転送が消えてしまわないよう、だれが転送を管理するかも決めておくと安心です。

よくある質問

WordPressからSTUDIOに乗り換えると、SEOは不利になる?

作る道具を乗り換えること自体で、検索に不利になるわけではありません。順位を左右するのは、ページの中身と、URLとドメインの引き継ぎ方です。同じドメインのまま、URLを変えないか、変わるURLから301転送を設定すれば、移行の影響は小さくできます。

古い記事を全部消すと、順位は上がる?

読まれていない記事を整理するのは、サイトを管理しやすくするためで、それだけで順位が上がるわけではありません。検索から読まれている記事まで消すと、その記事から来ていた飼い主様の入口がなくなります。消す前に、記事ごとの読まれ方を確かめてください。

本院と分院、専門のサイトが別々のドメインになっている。まとめたほうがいい?

同じ病院グループの情報なら、1つのドメインの下にまとめると、検索での評価を分けずに済み、管理もしやすくなります。まとめるときは、別ドメインのページそれぞれから、新しいページへ301転送を設定します。まとめるか分けるかの考え方は、動物病院の分院のホームページ|1つにまとめるか分けるか、3つの形で比較で解説しています。

まとめ

  • ホームページを作り直しても、URLの引き継ぎと301転送をきちんとすれば、順位が大きく落ちることは避けられる。切り替え直後の数週間は、順位が上下することがある
  • URLが変わるページは、内容が対応する新しいページへ、1ページずつ301転送する。トップページへのまとめての転送は避ける
  • 院長ブログは「そのまま移す・まとめる・移さない」に分ける。手がかりは記事ごとの読まれ方
  • 転送の設定には、ドメインとサーバーの権限が要る。移行を決める前に、病院が権限を持っているかと、制作会社との契約を確かめる
  • 切り替えの後はSearch Consoleで様子を見て、転送は1年以上残す

今のサイトのURLやブログ記事をどう引き継ぐか迷ったら、移行を決める前に、権限と読まれている記事の確認から始めてみてください。ホームページを作り直す全体の流れは動物病院のホームページ制作の進め方、制作会社に確かめたいことは動物病院のホームページ制作会社の選び方でくわしく解説しています。当社のホームページ制作では、今のサイトのURLと記事の読まれ方を確かめるところから、移行の進め方をご一緒に決めています。

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