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動物病院のホームページは何のためにある?AIの時代に地域の病院がやること

約10分で読めます

獣医師資格を持つデザイナーが書いています

「うちは地域の病院だから、ホームページにそこまで力を入れなくてもいいのでは」

来院される飼い主様の多くが近所の方だと、そう感じる院長先生は少なくないと思います。

結論からお伝えすると、地域の病院こそ、ホームページの役割が変わってきています。これまでのホームページは「検索で見つけてもらうための看板」でした。これからは、それに加えて、GoogleマップやChatGPTなどのAIが病院を紹介するときの「正しい情報の元」になります。広く知られることより、「近くで、この症状なら、この病院」と正しく紹介されることのほうが、地域の病院には大切です。

この記事では、AIの時代にホームページが何のためにあるのかを整理し、地域の病院が今日からできることをチェックリストにまとめます。

この記事で分かること

  • 検索からAIへ、ホームページの役割がどう変わってきているか
  • 地域の病院にとって、AIの時代のウェブで何が変わるか
  • AIやGoogleマップに正しく紹介してもらうために、ホームページに載せること

ホームページの役割は、どう変わってきている?

これまでのホームページは、飼い主様に検索で見つけてもらい、病院を知ってもらうためのものでした。今は、それに加えて、AIやGoogleマップが病院について答えるときに参照する「元の情報」という役割を持つようになっています。

ChatGPTやGeminiなどのAIは、質問に答えるとき、ウェブのページを参照して回答を作ることがあります。Googleの検索結果の上に出る「AIによる概要」も、ウェブのページを元にしています。飼い主様が「近くで夜も診てくれる動物病院は?」とAIに聞いたとき、AIが病院の診療時間や診られる動物を答えられるのは、どこかにその情報が書かれているからです。

「見つけてもらう」から「正しく知ってもらう」へ

検索の時代は、検索結果に病院の名前が出ること、つまり見つけてもらうことが目的でした。AIの時代は、AIが病院について説明するときに、その説明が正しいことが大切になります。診療時間が古いまま、休診日が違う、診ていない動物を診ていると書かれる。そうした間違った紹介は、飼い主様の来院の妨げになるだけでなく、病院への信頼にも関わります。

ホームページは、病院自身が書く、いちばん確かな情報の元です。AIやほかのサイトに病院の情報が載るとき、その元になる場所を、病院の手で正しく整えておくことが、これからのホームページの大切な役割です。

当社の支援先の病院名をAIに聞いたところ、移転前の住所や、変更前の診療時間が答えとして出てきたことがあります。ホームページの情報を新しくしても、ほかのサイトに古い情報が残っていると、AIがそちらを拾うことがあります。

飼い主様は、どうやって病院を探している?

飼い主様の探し方は、検索だけではありません。Googleマップで近くの病院を探して口コミを読む、SNSで知り合いの投稿を見る、そしてAIに文章で相談する、という方法が加わっています。

総務省の「情報通信白書」(令和8年版)によると、日本で生成AIのサービスを使ったことがある人の割合は、2025年度の調査で58.8%でした。2024年度の26.7%から、1年で2倍以上に増えています。病院探しにAIを使う人の割合を示した公的な調査はまだ見当たりませんが、AIに調べものを頼むことは、多くの人にとって特別なことではなくなりつつあります。

探し方が変わっても、選ぶ理由は「近さ」と「信頼」

飼い主様が動物病院を選ぶ理由として、「家から近い」は以前から上位に挙がります。大阪商業大学の杉田陽出氏による飼い主様への意識調査でも、今の病院を選んだ理由の上位に「家から近かったから」がありました。探す道具がAIに変わっても、近くて信頼できる病院を探していることは変わりません。違うのは、その「近くて信頼できる病院」を、AIやGoogleマップが飼い主様に代わって選び、説明するようになったことです。

地域の病院にとって、AIの時代のウェブは何が変わる?

動物病院の商圏(来院される飼い主様が住む範囲)は、一般に、車で10〜15分・半径3〜5kmほどが目安と言われます。ただし実際の範囲は、道路や川、近くの病院の位置によって変わり、きれいな円にはなりません。また、犬・猫の飼い主様2,000人への調査では、犬・猫とも約8割が「ひとつの病院のみに通っている」と答えています。地域で最初に選ばれることが、そのまま長いお付き合いにつながりやすいのです。地域の病院が目指すのは、全国で有名になることではありません。その範囲に住む飼い主様が「近くで、この症状なら」と調べたときに、正しく紹介されることです。

支援している病院のカルテの住所を見ると、来院される飼い主様の多くは、車で15分ほどの範囲にお住まいでした。一方で、皮膚科や眼科などの専門外来には、隣の市や県外から来られる方もいます。一般診療は「近さ」で、専門外来は「その分野で信頼できるか」で選ばれている、と感じます。

広く知られるより、近くで正しく紹介される

Googleは、Googleマップなどのローカル検索での表示順を、主に「関連性」「距離」「知名度」の3つで決めていると案内しています。関連性は、検索された言葉と病院の情報がどれだけ合っているか。距離は、検索した人から病院までの近さ。知名度は、病院がどれだけ広く知られているかです。

地域の病院にとって、距離は変えられません。一方で、関連性は、病院が情報をどれだけ正確に、くわしく載せているかで変わります。Googleも「ビジネス情報の内容が充実していて正確なほど、ローカル検索結果に表示される可能性が高くなる」としています。「夜間も診療」「エキゾチックアニマルも診る」「皮膚科の外来がある」といった情報が載っていなければ、近くに住む飼い主様がその言葉で探しても、病院が候補に挙がりにくくなります。

地域の病院だからこそ、差がつきやすい

近くの病院どうしは、距離の条件がほぼ同じです。だからこそ、どの病院が、何を、どのように診ているかを正しく伝えられているかで、紹介のされ方に差がつきます。ホームページに力を入れる意味は、遠くの飼い主様を集めることより、近くの飼い主様に、自分の病院を正しく選んでもらうことにあります。

AIに正しく紹介してもらうために、何を載せる?

載せることは、大きく3つです。「基本の情報を正確に」「ホームページ・Googleビジネスプロフィール・口コミで言っていることをそろえる」「院長先生の考え方と、病院にしかない情報」です。

1. 基本の情報を正確に載せる

  • 診療時間と休診日:曜日ごとの時間、昼休み、祝日の扱い、臨時の休診
  • 診る動物:犬・猫のほか、うさぎ・鳥・爬虫類などを診るかどうか。診ない動物も書いておくと、間違った紹介を防げます
  • 得意な診療・専門外来:皮膚科・眼科・歯科など、外来の曜日や担当の獣医師
  • 場所:住所、駐車場の台数、最寄り駅からの道順
  • 予約と救急:予約が要るか、夜間や休日の急な体調不良のときにどうすればよいか

これらは、飼い主様がAIや検索で真っ先に聞くことです。ページのどこかに、文字で書いてあることが大切です。画像の中の文字だけでは、AIや検索が読み取れないことがあります。

2. ホームページ・Googleビジネスプロフィール・口コミをそろえる

AIやGoogleは、ホームページだけでなく、Googleビジネスプロフィール(Googleマップに出る病院の情報)、口コミ、ほかの情報サイトなど、いくつもの場所の情報を見ています。場所によって診療時間や休診日が違っていると、どれが正しいのか分からず、古い情報が紹介されることがあります。

診療時間を変えたときは、ホームページとGoogleビジネスプロフィールを同じ日に直す。この習慣だけでも、間違った紹介はぐっと減ります。口コミの集め方と返信の仕方は、動物病院の口コミを増やす方法と、悪い口コミへの返信の例文でくわしく解説しています。

3. 院長先生の考え方と、病院にしかない情報を載せる

診療時間や場所は、どの病院も載せている情報です。AIが「この症状なら、この病院」と紹介する理由になるのは、その病院にしかない情報です。院長先生がどんな考えで診療しているか、どんな検査や治療の方針をとっているか、飼い主様からよく受ける相談にどう答えているか。こうした一次情報は、ほかのサイトには書けません。

院長先生の考え方は、院長あいさつや診療方針のページに。飼い主様からよく受ける相談への答えは、ブログに書くのが向いています。ブログの書き方は、動物病院ブログの書き方|検索とAIに紹介される院長記事のコツで紹介しています。

なお、ホームページに載せる内容は、獣医療広告のルールに沿って、事実を書き、大げさな言い方やほかの病院との比較は避けます。ルールの全体像は、動物病院の広告規制とは?ホームページで使えない表現と言い換え例をご覧ください。

地域の病院が、今日からできること(チェックリスト)

  • 病院の名前をChatGPTやGeminiに聞いてみて、診療時間・休診日・場所が正しく答えられるか確かめる
  • ホームページの診療時間・休診日・診る動物が、文字で書いてあるか(画像だけになっていないか)
  • Googleビジネスプロフィールの診療時間・休診日・電話番号が、ホームページと同じか
  • 祝日や年末年始の休診を、ホームページとGoogleビジネスプロフィールの両方に載せているか
  • 専門外来や得意な診療が、曜日や担当の獣医師とあわせて書いてあるか
  • 夜間や休日の急な体調不良のときの案内が書いてあるか
  • 院長先生の考え方や診療方針が、ご自身の言葉で書いてあるか
  • 情報を変えたら、どこを直すかの一覧(ホームページ・Googleビジネスプロフィール・SNS・情報サイト)を院内で持っているか

まとめ

  • ホームページの役割は、「検索で見つけてもらう看板」から、AIやGoogleマップが病院を紹介するときの「正しい情報の元」へ広がっている
  • 飼い主様の探し方は、検索・Googleマップ・口コミ・SNS・AIへの相談と多様になっている。それでも、選ぶ理由は「近さ」と「信頼」
  • 地域の病院が目指すのは、広く知られることより、近くの飼い主様に正しく紹介されること。距離の条件が同じ近くの病院どうしでは、情報の正確さとくわしさで差がつく
  • 載せるのは「基本の情報を正確に」「ホームページ・Googleビジネスプロフィール・口コミをそろえる」「院長先生の考え方と、病院にしかない情報」の3つ

まずは今日、ChatGPTに「(病院の名前)の診療時間は?」と聞いてみてください。答えが正しいかどうかが、今のホームページの状態を知るいちばん早い方法です。ホームページ全体の見直しを考えるときは、動物病院のホームページ制作の進め方|目的・ページ構成・公開後の運用をご覧ください。当社では、今のホームページが正しく伝わる形になっているかを確かめる無料サイト診断も行っています。

動物病院のホームページ制作の進め方|目的・ページ構成・公開後の運用動物病院のホームページ制作を、目的の決め方・必要なページ・制作の流れと期間・院長が用意するもの・公開後の更新まで、順を追って解説します。獣医師資格を持つデザイナーが、初めて作る病院にも作り直す病院にも役立つ全体像をまとめました。connectcreate.jp/vdesign/column/animal-hospital-website-guide

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